駄菓子屋さんでお菓子を買って、公園で缶蹴り。メンコやレアシールを夢中で集めた日々。懐かしいあの頃が蘇る『しなのんちのいくる』

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 どんな人にも必ずあった幼少期。時代によって思い出はさまざまだが、誰しも「懐かしい〜!」「あの頃はよかったな…」という気持ちはあるだろう。そんな気持ちを呼び起こしてくれるのが『しなのんちのいくる』(仲曽良ハミ/KADOKAWA)である。

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 本作の舞台は昭和から平成にかけて。主人公の小学生・いくるは、学校のクラスメイトや姉をはじめとした家族たちとにぎやかな毎日を過ごしている。

 遊びも勉強も、下校の時に駄菓子屋へ立ち寄って買い食いをすることすらも、ひとつひとつに全力投球な、いくるの毎日。さまざまな出来事が起こる彼の暮らしを、懐かしくも朗らかなタッチで描いた作品だ。

 100円玉1枚で駄菓子屋で豪遊できたり、牛乳瓶のふたを集めてメンコで遊んだり。出たばかりのゲームや自転車にみんなこぞって夢中だったり、テレビやラジオをカセットテープで録音していたり。子どもの頃にそんな思い出がある人にとっては、あるあるエピソードも満載!

 もちろん中には「そんな昔の時代のことなんて知らない…」「自分はまだ生まれてなかった」という人もいるかもしれない。だがそんな人でも、兄弟がいれば必ずケンカはしたはずだし、小学校のクラスでは男子と女子の間にちょっとした派閥があっただろうし。風邪で学校を休んだ日は、なんだか特別感でワクワクしたりソワソワしたはずだ。

 その時代にしかなかったもの、あるいは時代を超えてあるもの。どちらもが詰まっているのが、本作の大きな魅力でもあるのかもしれない。

 あなたの幼少期は、どんな暮らしだった?
 学校ではどんなものが流行って、放課後はどうやって過ごしてた?

 本作をきっかけそんな昔話を改めて思い返したり、誰かと話してみてもいいかもしれない。きっと思わぬところで、「懐かしい〜!」と盛り上がれる瞬間があることだろう。

文=ネゴト / 曽我美なつめ