ナカヤマフェスタ「凱旋門賞制覇の栄冠にもっとも近づいた日本馬」【もうひとつの引退馬伝説】
凱旋門賞2010 ナカヤマフェスタが大健闘の2着 英ダービー馬・ワークフォース優勝 写真:AP/アフロ
かなりの癖馬と聞いて警戒していたら...
10月6日、パリロンシャン競馬場で凱旋門賞が行われる。
昔から日本のホースマンの悲願とされてきた日本馬による凱旋門賞制覇だが、その頂に手が届きかけた(2着した)馬は過去3頭いる。
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エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルである。この3頭の勝ち馬からの着差は、エルコンドルパサーが半馬身、ナカヤマフェスタがアタマ、オルフェーヴルがクビ。
今後日本馬による凱旋門賞制覇があるかもしれないが、現時点ではナカヤマフェスタが、もっともその栄冠に近づいた日本馬といえる。
そのナカヤマフェスタは今どうしているのだろうか。すでに18歳となった現在の様子を、著名な競走馬の引退後の余生を追った『もうひとつの引退馬伝説~関係者が語るあの馬たちのその後』(マイクロマガジン社)から一部抜粋してお届けする。
ナカヤマフェスタは種牡馬を引退し、現在は北海道浦河にある「うらかわ優駿ビレッジAERU」(以下:AERU)に功労馬として繋養されている。
「ナカヤマフェスタは2023年の種付けが終わったころ、アロースタッドさんがオーナーさんと引退を考えたみたいで、どこで余生を送るのがいいかとなり、うちに声がかかりました。アローさんからはそれまでウイニングチケットやスズカフェニックスを引き取っていたので、その縁で話が来たんだと思います」
そう教えてくれたのは、AERUで功労馬のお世話をしているマネージャーの太田篤志さんだ。
ただナカヤマフェスタを受け入れる際、太田さんには若干警戒心があったそうだ。
「現役の時は急にワーッと立ち上がったりとか、気分屋でかなり癖があると聞いていまして。受け入れ前にアローさんに行っておとなしいのは見ていたし、担当の方には『世話をする分にはそんなに苦労したことはないよ』と言われていましたが、どこかで激しい面を見せたらちょっと怖いなと思っていました。もしそうでも対応するつもりでしたが、来た初日から本当におとなしくて(笑)。今もそんな面はまったく見せていません」
精神的なストレスがかからない環境で余生を過ごし、現役時代とはうってかわって扱いやすい優等生に変貌したナカヤマフェスタ。
そんな同馬には、太田さん曰く、食へのヘンなこだわりと独特なルーティーンがあるというのだが......それはいったい!?
■ナカヤマフェスタ プロフィール
生年月日:2006年4月5日生まれ
性別:牡馬
毛色:鹿毛
父:ステイゴールド
母:ディアウィンク(母父:タイトスポット)
現役時調教師:二ノ宮敬宇
現役時馬主:和泉信一
戦績:15戦5勝
主な勝ち鞍:宝塚記念、セントライト記念、東京スポーツ杯2歳S
生産牧場:新井牧場(むかわ)
現在の繋養先:うらかわ優駿ビレッジAERU(浦河)
もうひとつの引退馬伝説 ~関係者が語るあの馬たちのその後
競走馬の引退後の行き先は、種牡馬や繁殖牝馬になる他、乗馬、馬術競技、伝統行事や農業で活躍したりなど多岐に渡ります。
本書ではGGIなど重賞を勝った著名な馬の、繁殖生活だけに限らない余生(セカンドキャリア・サードキャリア)にアプローチ。
繋養先でどのように過ごしているのか、現役時代との違いやエピソードなどを関係者へ直撃!
引退した著名な競走馬の現在の魅力をとことん掘り下げていきます。
編:マイクロマガジン引退馬取材班
発売日:2024年9月13日
価格:1,980円(本体1,800円+税10%)
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