今季で見納めになるのか、それとも…(C)共同通信社

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 9月30日、阪神の岡田彰布監督(66)が甲子園最終戦となったDeNA戦後にグラウンドで挨拶。コメントはしなかったが、CSでの下克上に虎視眈々だ。

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 岡田監督は2年契約の最終年を迎えているものの、球団は現時点で進退について明言を避けている。

 粟井球団社長はV逸が決まった直後、岡田監督の手腕に関して、「結果が全て」と発言した。岡田監督は昨季、18年ぶりリーグ優勝と38年ぶり日本一を達成し、今季は最後まで巨人と優勝争いを繰り広げての2位。十分すぎる「結果」を残した。仮に岡田監督が退任すれば、新監督に求められる「結果」のハードルは相当高そうだ。

 そんな中、29日付のデイリースポーツによれば、親会社のトップである阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が監督人事について、「基本的には阪神電鉄と球団に決めていただく」と強調し、「われわれ(阪急側)は最後、目として(阪急出身の)杉山オーナーがいるわけだから。彼はバランス感覚もありますし、見てくれているんじゃないかな。われわれは引いた形を作っているので」とコメント。岡田監督の後任についても、外部招聘ではなく「3人くらいいるんですかね」と、阪神OBからの人選となることを示唆した上で、岡田退任となっても、「岡田さんのお力は何らかの形でタイガースとしてはお借りしてやった方がいいと思います」と、“岡田イズム”の継承を求めたという。

■貧打打開策には乏しく…

 角会長が言及した「3人のOB」はそれぞれ、現役時代に首位打者、打点王を獲得し、03、05年の優勝に貢献した今岡真訪一軍打撃コーチ(50)、通算2000安打を達成した名遊撃手の鳥谷敬氏(43)、通算243セーブ、218ホールドポイントをマークした火の玉守護神・藤川球児氏(44)とみられる。

「とはいえ、3人とも一長一短があります」と言うのは、内部事情に詳しい在阪の野球評論家だ。

「今岡コーチは阪神、ロッテでコーチ、二軍監督を歴任するなど、通算9年間の指導者経験がある。鳥谷、藤川に指導者経験がない中、岡田監督を2年間支え続けたアドバンテージがあります。ただ今季は、前半戦に大山、佐藤輝ら主力が二軍落ちするなど貧打に苦しみながら、打開策を講じることはできなかった、と言われている。その手腕を親会社と球団がどう評価するかでしょう」

現フロントと溝が…

 鳥谷氏はどうか。

「早大出身の鳥谷は角会長、岡田監督の後輩であり、『岡田イズム』の正統後継者として最適です。岡田監督は就任直後に入閣を要請し、これを固辞したものの、キャンプでは臨時コーチを務めるなど、岡田監督が最も目をかけている。重鎮OBの吉田義男さんも『鳥谷監督』に異論はないそうです。ただ、鳥谷はこれまで評論、タレント活動に重きを置いてきたうえ、現球団フロントとの関係がネックになるとの声もある。現役時代に引退を勧告され、スッタモンダしてロッテへ移籍した際の編成トップが谷本オーナー代行なのです。両者の溝が埋まっていれば、問題ないですが……」(同)

 一方の藤川氏は、NHK、スポーツ報知の解説者と並行し、球団本部付スペシャルアシスタント(SA)の肩書でフロント入りしている。

「阪神サイドの本命が藤川SAだと言われています。外国人の調査を任せるなど、フロントが最も厚遇するOBのひとり。解説者としても明快で、阪神が阪急から完全に主導権を握り返せば、指導者経験ゼロから、いきなり監督就任の可能性もある。現役時代は岡田監督の下でプレーし、『オカダの考え』を理解はしているでしょうけど、岡田監督は野手出身で、藤川SAは投手出身。野手出身の今岡コーチや鳥谷さんと比べて、<岡田イズムの継承>という点でどこまで徹底できるのか。あるいは、岡田監督が1年続投し、一軍ヘッド格として入閣したうえで、帝王学を学ぶという選択肢もあり得ます」(同)

 先のデイリースポーツで、角会長は岡田監督の手腕について、「立派なものですよね。お願いしたかいがあったなと。期待通りの采配というか、野球理論というか、チーム運営のやり方とか、非常にいい」と絶賛している。

 阪急サイド、角会長の本命が「岡田続投」なのは明らかだが、はたして岡田監督が続投するのか、あるいは3人のOBの中から新監督が誕生するのか……。

  ◇  ◇  ◇

 そんな岡田監督の去就について、「かねて親交がある横浜OBの高木豊氏が気になる発言をした」と、チーム内外で話題になっている。いったいどんな発言だったのか。それは何を示唆するものなのか。

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