イラン民兵組織ヒズボラ指導者ナスララ師が殺害された現場近くに集まる人たち=29日、レバノン・ベイルート(AP=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍は29日の発表で、親イラン民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師を殺害した27日の空爆について、ナスララ師のほかにヒズボラの幹部ら20人以上の関係者を殺害したと主張した。幹部殺害はヒズボラの指揮系統にさらなる打撃となるとみられる。ロイター通信などによると、軍は30日未明、レバノンの首都ベイルートを空爆した。

 軍は29日、イエメン西部ホデイダ地域などで発電所や港を含む親イラン武装組織フーシ派の軍事関連施設を空爆したと明らかにした。レバノンへの地上侵攻による交戦激化や、イランや親イラン勢力によるイスラエルへの報復が懸念され、中東情勢は緊張が高まっている。

 イスラエルメディアは29日、同国軍がレバノンに地上侵攻するかどうかまだ決めていないと報じた。バイデン米大統領は29日、全面戦争への拡大は「回避するべきだ」と語った。

 イスラエルのガラント国防相は「われわれに遠すぎる場所はない」と述べ、イスラエルを攻撃する国や勢力はどこであれ攻撃する姿勢を強調した。

29日、レバノン・ベイルート南郊で、イスラエルの攻撃後に上がる煙(ロイター=共同)

イスラエルの攻撃で避難し、広場で子どもの世話をする女性=29日、レバノン・ベイルート(ゲッティ=共同)