新興国の石炭火力発電所閉鎖進まず、インドネシアで高いハードル

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Gayatri Suroyo Fransiska Nangoy

[チレボン(インドネシア) 25日 ロイター] - 主要7カ国(G7)が支援する新興国での石炭火力発電所の閉鎖計画が遅れている。このイニシアチブの下で最初に閉鎖されるはずのインドネシアの発電所は、早期閉鎖への合意がないままに7月の期限が過ぎた。

脱石炭の動きは、インドネシアとセネガル、南アフリカ、ベトナムが参加する「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」の一環。JETPは、低炭素経済への移行を支援するため、G7諸国や銀行から数十億ドルの投資、助成金、融資を受けることを目指している。

しかし、計画停電に苦慮する南アフリカでは、石炭火力発電所の早期運転停止のめどが立っていない。そのため、インドネシアのチレボン1発電所の閉鎖が、JETPの目玉のプロジェクトと見なされている。

ただ、チレボン1発電所の閉鎖には法的にも財政的にも大きな障害がある。インドネシア政府は、再生可能エネルギーに置き換えるためのコストが13億ドルに達する可能性があるとして、懸念を強めている。

10月の新政権発足までにチレボン1発電所の閉鎖が妥結できなければ、合意の可能性はさらに遠のくと専門家は指摘する。プラボウォ次期大統領は、自給自足とエネルギー安全保障を重視しているとされる。