まさかの反発? “史上最強のDH”オルティスが大谷翔平のMVPに持論「MLBは私のMVPを阻止してきたから」
インパクト十分の大谷を評するオルティス氏は、MVP論争にも持論を語った。(C)Getty Images
大谷翔平(ドジャース)が、名だたる指名打者(DH)選手の前に立ちはだかってきた高い壁を打ち破ろうとしている。
現地時間9月6日に本拠地で行われたガーディアンズ戦に「1番・DH」で先発出場。45号ソロを含む4打数2安打1打点をマークし、これで46盗塁と合わせ、メジャーリーグ史上初の「45本塁打・45盗塁」を達成した。
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打つたびに新たな歴史を刻む大谷。現実離れした「50-50」にも前進し、ナショナル・リーグのMVP最有力候補にも挙げられている。仮に彼がキャリア3度目の受賞を果たせば、それもまた“史上初の快挙”である。というのも、過去にフルタイムのDH選手でMVP受賞者はいないからだ。
昨年9月に右肘に手術を執行した大谷は今季、守備に就かないDHだけで出場を続けている。だが、メジャーリーグのMVPは攻守のトータルで評価されてきた歴史があり、近年も議論においては、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標「WAR」が重要視される傾向にある。
いわゆる「打つだけ」のDH選手にも多くの名選手がいる。だが、彼らはどれだけの貢献を果たそうとも記者投票において評価を高められずに夢破れてきた。
ゆえにDHとして一時代を築いた強打者も興味深く大谷を中心としたMVPレースの様子を見つめている。2006年に54本塁打、137打点の打撃二冠王に輝き、「史上最強のDH」として名を馳せたデビッド・オルティス氏は、米スポーツ専門局『FOX Sports』の中継内で「数字を意識しすぎて力むことが、この先のオオタニにとって一番の敵になるだろう」と指摘。その上で、“競争”の行方を展望している。
「50-50を達成できたなら十分に価値があることだと思う。彼がDHとしてMVPを取るかどうかは本当に興味深いよ。常にMLBは、DHだった私のMVP選出を阻止する方法を見つけだしてきた。もちろんオオタニと私は状況が違うが、どうなるかチェックしたい。オオタニはMLBの顔だから」
果たして、大谷は“史上初のMVP”となった時、オルティス氏は何を語るのか。その行方は興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]