「性病かな…?」と思ったときの対処法はご存じですか? 診断までの流れも医師が解説!
「性感染症」の相談窓口は、医療機関以外にもあることをご存じですか? 性感染症の疑いがあるときの対処法について「シュシュレディースクリニック 戸田公園」の前出先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【「性感染症」の症状や潜伏期間とは? 医師が受診すべきタイミングも解説 診断までの流れも説明】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
前出 喜信(シュシュレディースクリニック 戸田公園)
日本産科婦人科学会認定専門医、日本性感染症学会認定医、日本周産期・新生児医学会周産期専門医。1997年、島根医科大学医学部(現・島根大学医学部)卒業後、島根大学医学部附属病院 産科婦人科 助教や鹿児島市立病院 総合周産期母子医療センター科長、熊本福田病院地域周産期医療センター 新生児科部長などを経て現職(シュシュレディースクリニック 戸田公園 院長)。「怖くない、痛くない、面倒くさくない」をモットーに、相談して良かったと安心していただけるような診療を日々心がけている。
編集部
性感染症にかかったと思ったら、どうすればいいですか?
前出先生
まずは自分やパートナーが性感染症に感染しているかどうかを確認したいという時は、保健所などに電話相談ができます。HIV感染症/エイズについては、全国の保健所で匿名、無料で検査が受けられますが、クラミジア、梅毒、淋菌感染症など、ほかの感染症については、受けられる保健所と受けられない保健所があります。事前にインターネットなどで確認してみてください。
編集部
医療機関の場合はどうですか?
前出先生
お近くの保健所で、HIV感染症/エイズ以外の検査を行っていない場合などは、医療機関に相談しましょう。また、保健所では性感染症の検査はできても、治療はできません。自覚症状などで、感染している可能性が高そうだと認識していたり、症状に対し一刻も早く対応してほしいと思っていたりする場合には、最初から医療機関に相談することをお勧めします。
編集部
受診から診断までの流れを教えてください。
前出先生
まずは、問診にて症状や不安なことをお聞きします。それに基づき、必要な検査を行います。例えば、梅毒やHIV感染症/エイズ、性器ヘルペスウイルス感染症などが疑われる場合は血液検査、クラミジアや淋菌感染症、トリコモナス症などが疑われる場合はおりものや尿の検査をします。どの感染症にかかっているかによって治療方法が異なりますので、基本的には原因菌が判明してから治療していくかたちになります。
編集部
あらためて、どのように性病と向き合えばいいですか?
前出先生
性感染症は、症状に困っていても、なんとなく受診をためらってしまったり、自分でなんとかしようと考えて、インターネットで検索して余計に不安に陥ってしまったりする方も多いのですが、やはり性感染症の知識のある専門医に相談するのが一番の近道です。治療をせずにいると、知らない間に更なる感染を引き起こしてしまうことも考えられます。性感染症は、性交経験のある方なら誰でもかかる可能性のある身近な感染症であるということを広く知ってもらうことが大切だと思っています。パートナーが変わったときはもちろん、症状がなくても定期的に検査をするなど、自分やパートナーの健康を守るためにも、不安なときはぜひ相談してください。