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4年ぶりの再登場です。

ゲーム開発を手がけるEpic Gamesはアプリ内課金を巡ってアップルと法廷バトルを繰り広げていましたが、アプリストア以外のプラットフォームからのアプリダウンロードを可能にする「サイドローディング」を通じて、大人気ゲーム『フォートナイト』などがiPhoneでまた遊べるようになります。

(少なくともEU在住の)iPhoneユーザーにとっては嬉しい話ですが、Galaxy StoreからEpic Gamesのゲームが削除されることになるため、サムスンユーザーには残念なお知らせです。

アップルは1月、欧州連合(EU)のデジタル市場法に対応するために、「ウォールド・ガーデン」を崩し、サードパーティアプリをiOSにインストールすることを可能にすることを発表しました。その後、Epic Gamesは「Epic Games Storeを通じて」フォートナイトをiOS向けに提供することで、「きちんと競争せず、全ての開発者を平等に扱わないまま家賃を徴収するような」アプリストアからは離脱するとの声明を出しました。

また、サイドローディングを禁止しているからという理由で、サムスンのGalaxy Storeからの撤退も発表しました。同社は「アンドロイド向けアプリの競争を妨げている」としてグーグルも訴えており、Epic Games製アプリはGoogle Play Storeにもありません。

Android Authorityのレポートによると、One UI 6.1.1を搭載した新しいアンドロイド端末はデフォルトでサイドローディングを禁じており、設定で解除できるものの、ほとんどのユーザーには難しすぎるというのが現状です。

日付は未定

Epic Gamesはブログ記事で「世界中のアンドロイドと、EUのiOSに」同社ゲームプラットフォーム登場するとしましたが、具体的な日付は記載されていません。まずはAltStoreにフォートナイトなどが掲載され、その他のサードパーティプラットフォームにも「もうすぐ」登場する予定だとしています。

3月にはアップルは、両社間の契約を巡って「明らかに信用できない」としてEpic Gamesの開発者アカウントを停止していました。Epic GamesのCEOであるスウィーニー氏は自身の反アップル的なツイートのせいでアクセスを失ったとして書簡を公開し、アップルは「Epic側が契約内容に関する重大な違反を行っている」と米ギズモードに反論しました。その2日後、EU域内でのみEpic Gamesの開発者アカウントは復活しました。

Epic Gamesはプラットフォーム上での全ての支払いに12%の手数料を課しており、開発者にとってより良い条件だとしています。また、サイドローディングプラットフォームを利用する場合、それに伴う追加費用はないとしています。対象的に、PCゲーム最大のプラットフォームであるSteamは、通常ゲーム売上に対して30%の手数料を取っています。

Epic Games Storeは、EUではiOSとアンドロイド向けに今年後半、英国ではiOS向けに2025年後半に提供される見込みです。

また、サイドローディング以外にも、Xbox Cloud GamingやAmazon Lunaなどのゲームストリーミングサービスを利用することで、iOSやアンドロイド上でゲームを遊ぶことが可能です。この場合、インターネットの回線スピードが快適なプレイの鍵となります。

アンドロイドとアップルが打ち立てた壁に阻まれたEpic側の怒りは理解できるものの、結局のところ一番困るのは消費者です。これから初めて『フォートナイト』などのEpic Gamesのゲームを遊ぼうと思う人は、どこからダウンロード氏たらよいのかもわからないでしょう。結局のところ、Epic Gamesがプラットフォームをリリースするまでは、指を加えて待つことになりそうです。