トーハン、コンビニ雑誌配送「一部終了」報道に「事実と異なる点がある」と声明 記述の仕方にも苦言
出版取次大手のトーハンが、コンビニへの雑誌配送に関する一部報道を受け、「事実と異なる点があります」と公式サイトで発表した。
「すべて引き継ぐことで合意したという事実はありません」
複数メディアによれば、出版取次大手の日本出版販売(日販)がファミリーマートとローソンへの雑誌配送を、2025年2月に取りやめる。その代わりに、トーハンが業務を引き継ぐと報じられていた。
一部メディアは、ファミリーマートとローソンの計約3万店のうち、トーハンが計約1万店の雑誌配送を終了する見込みだと報じた。
これに対し、トーハンは24年7月22日、「コンビニエンスストア配送に関する報道につきまして」と題した声明を発表。ファミリーマートとローソンとの間で、25年3月から取引を開始することを合意したとし、こう説明した。
「ファミリーマート及びローソンから弊社が取引開始の申込を受けた際に、2社合計3万店をすべて引き継ぐことで合意したという事実はありません」
トーハンは「できうる限りの受け入れ態勢を検討した」とした上で、「取引開始時点においては、配送可能店舗数がファミリーマートおよびローソンでそれぞれ1万店程度となることについても、各社と真摯な協議を重ねた上で相互に確認しております」と報告。
また、「あたかも弊社の一方的な判断で雑誌配送を打ち切るかのような記述」が一部報道に見られたというが、同社は「そのような事実はありません」と否定している。
トーハンからの配送可能店舗数を各社1万店程度とせざるを得ない理由として、「新築拠点も含めて対応可能な物流センターのキャパシティによるもの」だとし、「一部の報道で言及された"物流の2024年問題"と直結するものではないと考えております」とも述べた。
ファミリーマートとローソンの店舗に対する25年3月以降の雑誌配送については、各チェーン本部と加盟店との間で個別に協議中とのこと。トーハンは「各社との合意に基づき、予定されたスケジュールに沿って、取引開始に向けて準備を進めてまいります」と方針を示した。