出場すれば目玉に

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 2024年も、はや後半戦。年末のNHK紅白歌合戦の行方が気になる季節となってきた。NHKが出場を長年、熱望してきたアーティストの代表格と言えば、未だ出場経験なしの大物バンド「B'z」だ。

 そのB'zは今年度後期の連続テレビ小説の主題歌を手掛けることになったと報じられている。実際、新曲の準備は進み、この大晦日こそいよいよと期待が膨らんでいるが……。

【写真を見る】NHKとの“蜜月”を示すB'zの出演写真。朝ドラに挑む橋本環奈の公式ショットも。

主演は橋本環奈

 稲葉浩志松本孝弘によるロックバンド、B'z。昨年はデビュー35周年という節目の年を迎えた。そのB'zが2024年度後期の朝ドラ「おむすび」の主題歌を担当すると報じられたのは昨年10月。

出場すれば目玉に

「昨年、B'zは、『クローズアップ現代』のインタビューに答えたり、稲葉が5月の『ニュースウォッチ9』に出演したりと、NHKの看板番組への出演が相次いだ。それに加えて主題歌に内定と報道されましたから、昨年も、紅白出場があるのではないかと言われていました。結局出ることはありませんでしたが、NHKの局内には、今年こそと思っている人は多いでしょう」(制作会社関係者)。

 B'z主題歌を手掛ける「おむすび」の主演は橋本環奈。橋本は一昨年、昨年と紅白の司会を2年連続で務めている。

「好感度の高さはもちろんですが、大物を相手にしても動じない司会ぶりは、局内でも高く評価されているそうです」(同)

 その橋本が今年も司会を務め、B'zを曲紹介で送り出すというのは実に自然な展開に映る。

 しかも、今年の稲葉はテレビへの出演多数。10年ぶりのソロアルバム「只者」をリリースし、そのプロモーションとして「with MUSIC」(日本テレビ系)、「2024 FNS歌謡祭 夏」(フジ系)などの音楽番組に出演した。テレビにあまり出たがらないと言われていたB'zだが、ソロとしてとは言え、稲葉が露出する機会が増えることは、年末への期待感を高めることに繋がった。

プラスに働かない

 だが、音楽業界内ではまだまだB'zの紅白出演には懐疑的な声が少なくない。

 日本を代表するロックバンドである彼らは当然、これまで何度もNHKから紅白出場を打診されてきた。

 しかし、

「事務所サイドが難色を示してきた。出場するメリットを感じていなかったのと、演出への拘りの強さが原因です」(同)

 ある音楽業界関係者は、

「近年の紅白では往年の大物シンガーが出演することもたびたび見受けられますが、彼らにはコンサートツアーの売れ行きがいまひとつとか、人気に陰りが見え、露出を増やしたいという思惑が見え隠れする。その意味では、ライブをすればチケットは即完売するなど、まだまだ絶大な存在感があるB'zですから、紅白に出るメリットは相当、薄い。むしろ、低視聴率に喘ぐいまの紅白ならば、『あのB'zも紅白に頼らなければいけないほどなの?』と思われてしまうという点で、決してプラスに働かない」。

 演出面でもハードルは高い。

「仮にB'zが出演するとなれば、目玉扱い、特別枠的な存在で出演することになるでしょう。もちろん主題歌は歌うでしょうが、1曲というわけにもいかないと局側は考える。そうなったときに『ultra soul』や『LOVE PHANTOM』といった過去のヒット曲を歌うことになるかもしれません。視聴者は喜ぶでしょうが、B'zにとってはこれらは昔の曲です。それではと、主題歌だけ歌ってヒット曲を歌わなかったり、みなに馴染みがない曲を歌ったりすれば、今度は視聴者が肩を落とす。そうなればB'zにとってマイナスだし、出場するメリットも少ない」(同)

倉木麻衣も……

 そもそもB'zが所属する事務所のアーティストの中には、過去に朝ドラの主題歌を担当しながらも、その年の紅白に出演しなかった例もある。1999年にデビューし数々のヒット曲を世に送り出しつづけている倉木麻衣だ。デビュー翌年に朝ドラ「オードリー」の主題歌「Reach for the sky」を歌いながらも、その年の紅白には出場しなかった。倉木が初出場を果たしたのはその3年後となる。

 あるNHK関係者は、

「『オードリー』もそうですが、後期の朝ドラは大阪制作ですから、前期と比べれば、紅白スタッフとの関係は密ではない。朝ドラの主題歌を歌うからと言って、B'zが紅白出場確実とまでは言えない」

 と語る。

 では晴れて「出演」となるのはどのようなケースなのか。

B'zの作る朝ドラの主題歌が、その年を彩るような大ヒット曲になれば話は別です。多くの人がこの曲を聞かないと年が越せないとなれば、今度は紅白に出演しないことがマイナスになりますから、紅白に出た方がという空気になるでしょう」(前出・音楽業界関係者)

 いずれにせよ、彼らの動向が今年の紅白の最大の焦点となるのは間違いない。

デイリー新潮編集部