この写真のように包装のビニールをうまく開けたい…

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トイレットペーパーの包装ビニールがうまく開けられないのは、筆者だけだろうか。なんなら、ただの一度もこの袋をうまく開けられたことがない。
開け口やミシン目が見当たらないため、仕方なく袋に指を突き刺して引きちぎるように開けざるをえない。取り出したあとに、ビヨ〜ンと不様に伸びきったビニールを見るのが嫌で、やむを得ずむき出しのまま棚に置いているが、衛生的に問題はないのだろうか……。

そこで、トイレットペーパーのシェアNo.1をほこる大王製紙のマーケティング担当・森脇哲平氏に“正解”があるのか聞いてみた。

◆“入れたまま保管”がおすすめ

トイレットペーパーは紙で出来ているため、通常のご使用の範疇で菌が繁殖することは少ないと考えられます」と森脇氏。ひとまず安心したが、油断は禁物のようだ。

「埃や水が付くことを避けるために、置き場所によってはパッケージに入れて保管いただくことが好ましい場合もあります。なお、消臭機能や香り付きのトイレットペーパーは、効果や香りを長持ちさせるために、包装パッケージに機密性の高いフィルムを使用しておりますので、未使用分のトイレットペーパーはパッケージに入れたまま保管することをおすすめいたします」

◆どうやったら「きれいに開けられるのか」

やはり、袋は極力つけて保管するのが良さそうだ。そこで、不様にならない正しい開け方を指南していただいた。

「開け方に正解というものはございませんが、取っ手の下にミシン目を入れた『開け口』を設けておりますので、ここから下方向に引っ張っていただくのが最も簡単に開けていただく方法です。一度にまとめてトイレットペーパーを取り出したいときや、袋をきれいに開けたいときは、取っ手と袋の繋ぎ目に沿って両端から割くように開けていただければと思います」

同社のInstagramでも開け方は紹介されているという。個別に出す場合だけでなく、まとめて出す際のために、ポテトチップスの袋でいう「パーティー開け」のような方法まで考えられているのは驚きだ。

◆シングルとダブル、それぞれの特徴は?

せっかくの機会だから、トイレットペーパーについて気になっていたことをほかにも聞いておこう。

まず、種類。ダブルとシングルがあるが、それぞれどのようにできたものなのか。

「歴史を紐解くと、巻き取り(ロール)形状のトイレットペーパーができたのは19世紀に遡りますが、当時はシングルの商品しかなくダブルは存在していませんでした。ダブルが作られたのは1942年のことです。肌により負担の少ない商品の発売にあたり、新しい技術が取り入れられることになったためと言われています。それ以来、柔らかさ、厚み、吸水力といったダブルならではの機能性が支持されるようになりました」

トイレットペーパーの歴史を知ると、ダブルの方が優勢であるように感じるが、現在でもドラッグストアやスーパーの店頭にはダブルとシングルが両方陳列されている。それは、シングルにもニーズがあるということに他ならない。

森脇氏は「1回に使用する長さが同じだった場合、シングルは1ロールあたりの長さが長いので、ダブルよりも経済的に使用できる可能性があります」としながらも、同社の調査結果を次のように話す。

「ダブルはやわらかいだけでなく、吸水性も高いのが特長です。そのため、1回あたりの使用量がシングルよりも少なくなります。弊社の調査では、1ロールを使い切るまでの期間はシングルでもダブルでもほぼ変わらないという結果が出ています」

◆シャワートイレ専用ペーパーも登場

特に意識することなく日常的に使い消費をしているトイレットペーパーだが、話を聞くほどに奥が深いことがわかってきた。構造も役割も極めてシンプルな製品であるゆえに、進化をさせるのは難しいようにも思えるが、大王製紙はトイレットペーパーを次世代に導いた実績がある。