チームのみんなと拳を合わせる渡辺(中央)

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 パリ五輪に出場するバスケットボール男子日本代表候補合宿が29日、都内で公開された。今季NBAでプレーした八村塁(26)=レーカーズ=と、渡辺雄太(29)の2人は28日からチームに合流し、この日初練習。八村が日の丸を背負うのは21年東京五輪以来で、トム・ホーバス体制では初めて。ベスト8を目標に掲げる今夏のパリ五輪へ向け、NBA組のラストピースを加えた“歴代最強日本代表”が始動した。ただ、渡辺雄は6月初旬に左ふくらはぎ肉離れを負ったことを告白。五輪出場へ黄信号がともった。

 八村が合流する明るい話題の一方で、もう1人のNBA経験者には暗雲が垂れ込めた。渡辺雄は6月頭に左ふくらはぎ肉離れを負ったことを告白。当初は全治8週間と診断されて順調に回復していたが、先週に悪化させてしまったという。「有明は間に合わない」と7月5、7日の国際強化試合の欠場を示唆し、五輪には「本番までに治るかギリギリのところ」と見通しを語った。

 6シーズン戦ったNBAに区切りを付け、来季からBリーグでのプレーを明言している渡辺。4月に帰国し、合流できる今月28日まで個人で調整に努めていた。

 昨夏のW杯直前の国際強化試合でも右足首を負傷した過去がある。日本を五輪切符獲得に導いた精神的支柱の負傷は大きな不安要素とはなるが、「昨年も同じようにけがをしてギリギリのところでやり切った。経験値をプラスに捉えて。焦ったり、いら立ちもあるが、言い出してもしょうがない。死ぬ気で治します」と必死に前を向いた。