広島を盛り上げる観光連盟の取り組み 広島の魅力を伝える「HITひろしま観光大使」をプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。宮脇靖知アナウンサーが、広島を盛り上げる「HITひろしま観光大使」についてお伝えします。
2月の宮島の来島者数が30万人を超えて、統計開始以降2月としては、過去最多になりました。国内国外問わず、多くの方が訪れています。
一方で「オーバーツーリズム観光公害」と言って、観光客が一気に集中することで、数々の問題が発生します。例えば、交通渋滞やトイレの問題、地域住民に対する騒音なども考えられます。廿日市市は、来年度の宮島の訪問税の税収を3億5000万円と見込んでおり、この対策に充てることを考えています。
その中で注目したいのが、観光連盟の取り組みです。目標は「巨大なテーマパークのように100万人が訪れる場所を1か所作るのではなく、1万人が訪れる場所を100カ所作る」ということです。
そのために大きな役割を果たしているのが「HIT広島観光大使」です。「HIT」とは「広島県観光連盟」の略で、観光連盟が任命する大使のことを言います。多くの人に広島の魅力を発信してもらう取り組みです。観光大使になるには「広島が好き」という条件があります。インターネットで申し込めば「HIT広島観光大使」になることができます。2020年からスタートして、現在も2万人を超えています。国内だけではなく、台湾やシンガポールなど、海外にも広がりを見せています。ケニアでは、大使館がフェイスブックで告知を行い、100人ほど登録したそうです。
そして先日、「HIT広島観光大使」の日頃の活動を讃え表彰する、年に1度の「HIT AWARD」が開催されました。2023年度は、2万人の中から10人が表彰されました。受賞者には、盾とゴールド名刺の授与と、副賞が贈られました。さらなる活動に期待が寄せられます。
MVPを受賞した青松裕大さんは、「広島グルメらんちさん」というインスタグラムで、広島の食を紹介しています。コロナ禍で自分の好きだった友人の飲食店が潰れてしまい、このようなことになってほしくないという思いから、魅力を自分から発信することにしたそうです。また、若者たちに魅力を知ってこの街に向き合ってもらい、広島の転出超過を食い止めたいとも考えています。
青松さんのインスタグラムは、登録者が11万人を超えています。広島の食がきれいに並べられており、食欲がそそられます。写真をクリックすると、みんなで食事を楽しんでる様子や、パーティーなどのエンターテインメント性を動画で見ることができます。また、動画の隣には、お店の紹介も記載されています。青松さんは、2年間取り組んで体重が30kg増えたそうです。
続いて、エキスパート賞を受賞した三島誠治さんです。しまなみ街道を拠点にしたサイクリングガイドをしています。瀬戸内の海や空が大好きということから、いつも青色のウェアを着用し、愛称は「しまなみブルー」だそうです。三島さんは、16年という中学校の英語の教員歴を生かして、海外からの観光客を案内をしています。また、インスタグラムでいろんな情報を発信しており、三島さんが案内しないと訪れることができないような脇道に入って、地域の方と交流することも行っています。
最後は、ベストトラベラー賞を受賞した大塩彩夏さんです。2018年から、夫の仕事の関係で呉市に移り住みました。東京都出身で、社会人野球チームのチアリーディングの経験があることから、呉で初のキッズチアチームを作りました。チアを教えたり、一緒に取り組んでいく地域活動も行っています。子育てをしながら、インスタグラムで広島や呉の魅力を日々、情報発信しています。特別な場所に行くのではなく、実際に呉で自分が訪れやすい場所を、無理のない範囲として3日に1回程度更新しているそうです。
身近な情報を発信することによって、観光大使として普段気がつかない魅力を発見することができ、広島の観光に関わることができるます。広島県観光連盟としては、広島のことを好きになり、自分の住む場所に誇りを持ってもらいたいとのことでした。