大阪で「F1誘致」構想 吉村洋文知事も協力に前向き

写真拡大 (全2枚)

知事はF1の誘致に前向きだという(C)Getty Images

 公益財団法人の大阪観光局が1月15日、F1の大阪誘致を目指す方針を明らかにした。民間主導で展開していく構えで、大阪府の吉村洋文知事も協力に前向きな意向を示した。

 吉村知事は大阪市長時代に万博開催後の大阪・夢洲で公道レースによるF1を誘致する考えを表明したが、採算面などを理由に実現に至らなかった。大阪では2015年11月に目抜き通りの御堂筋で元F1ドライバーの中野信治氏のドライビングで旧型のフェラーリF1マシンによる公道デモンストレーション走行が実施されたことがある。

【関連記事】F1の角田裕毅は参戦4年目の2024年に表彰台を獲得できるか

 これまで日本ではフォーミュラカーの公道レースが実施されたことはなかったが、今年3月に東京・有明地区で電動フォーミュラカーの世界選手権「フォーミュラE」が日本初開催されることが決定。東京五輪後に東京は世界規模のスポーツイベントを開催できないか模索し、誘致に成功した。

 大阪も2025年の大阪・関西万博を開催した後の新たな基軸としてF1に着目した。複数のメディアによると吉村知事は「民設・民営で挑戦したいという話は大歓迎。できる限り協力したい」などと話し、民間主導のプロジェクトに賛同した一方で、行政としての財政的な負担については否定した。

 F1側も市街地レースに積極的に取り組んでいる。伝統のあるモナコGPのほか、最近ではシンガポールGP、アゼルバイジャンGPを開催しており、昨季もアメリカでラスベガスGPが公道レースとして復活した。

 2022年に始まったマイアミGPも公道は使われていないものの、NFLのマイアミ・ドルフィンズがフランチャイズするハードロックスタジアムの駐車場にサーキットが特設され、取り付け道路などがコースに流用されている。

 日本GPの開催先となっている鈴鹿サーキットでの開催契約は今年まで。一方、大阪・関西万博の開催期間は2025年4〜10月で、日程的には万博閉幕直後にF1を開催できなくはないが、準備期間などを考慮すると同年中の「大阪F1」は難しそう。

 鈴鹿でのF1は秋から春への開催に今年からシフトされており、1国2開催で春秋に分かれて実施する可能性も考えられるが、今季は史上最多の年間24戦となり、スケジュールはパンパン。新規開催できるかは微妙な情勢だ。

 大阪市の公式ホームページには「万博跡地の活用について」として「跡地をサーキットにしてカジノ、ホテル、遊園地と統合してサーキットメインの統合リゾートにしてほしい」との市民の声が紹介されており、サーキット場として再開発することも選択肢の1つにはなっているようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]