ダイエットに失敗する人の家には◯◯がない!「太りやすいキッチン」にあるもの・ないもの
「何度もダイエットにチャレンジしたけど、なかなか体重が減らない……。そう感じている人は、ダイエットの前にキッチンを見直す必要があります」と語るのは、管理栄養士・森由香子氏。“痩せにくいキッチン”には、知らず知らずのうちに食欲を刺激したり、食べる量を増やしたりしてしまう“痩せにくいポイント”があるのだとか。今回は、氏の著書『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)から、痩せやすいキッチン作りのヒントを少しだけお届けします。
痩せにくい人の家には……計量スプーンや計量カップがない!?
体型が気になりはじめたら、まずはキッチンのどこにあるか確認してほしいものが2つあります。
それが、計量スプーンと計量カップ。
長年、管理栄養士をやってきて、肥満の患者さんとお話ししていて気づいたことのひとつが、痩せにくい方には計量スプーンや計量カップを持っていない人が多いということです。あるいは、持っていてもどこかにしまったままで、まったく使っていないのです。
痩せたいのであれば、料理をする際、目分量ではなく、できるだけスプーンやカップを使って何をどれだけ入れているのか確認するようにしてみてください。砂糖はもちろん、油、調味料、ごま、小麦粉など、普段何気なく使ってしまっているものにはカロリーがとても高いものがたくさんあります。たとえばマヨネーズは大さじ1杯で80kcal、ごまは大さじ1杯で51kcalもあります。
日頃から計量スプーンやカップを使っていると、自分が作っている料理にどれだけカロリーがプラスされているのか、ちゃんと認識できるようになってきて、自然と使いすぎに注意するようになります。
実際、「たいして食べていないのに体重が減らないんです」という方に食事内容をうかがってみると、調味料を使いすぎている人が多く見受けられます。また、栄養指導の際、計量スプーンを使って調味料のカロリーをお伝えすると、あまりの多さに驚かれる人も少なくありません。ソースやマヨネーズなど、「もっと使っている」とおっしゃる方もいます。
まずは計量スプーンやカップを使う習慣を身につけましょう。
痩せにくい人の家には……フッ素樹脂加工のフライパンがない!?
キッチンを観察させていただくと、今も鉄のフライパンを使っていらっしゃる方がいます。
物を大切に使うのは大事なことですが、痩せたいのであれば、私はフッ素樹脂加工のフライパンを使うことをおすすめします。
なぜなら、フッ素樹脂加工のフライパンはごく少量の油でも料理ができるからです。
反対に鉄のフライパンだと、くっつきやすいため、目玉焼きひとつ焼くにも油が必要です。どうしても油の量が多くなるのです。
フッ素樹脂加工のフライパンは鉄製に比べると長持ちしませんが、安価なものを買ってまめに買い替えるのがよいと思います。いつでも快適に使えて、必要な油の量も確実に減らせます。
これがあったら要注意!冷蔵庫に常備するだけで太る「3つの食材」
これまで4500人あまりの人々の食事内容と向き合ってきた中で、私はある興味深い事実に気づきました。なかなか痩せない人が家に常備していることが多い、特に注意すべき3つの食材があったのです。
この3つの食材が冷蔵庫にいつもある人は、かなりの確率で痩せにくいということです。
その食材とはズバリ、ピザ用チーズ、ベーコン、油揚げの3品。これらはいずれも高カロリー食品ですが、問題はその食べ方です。
たとえばチーズは、1日20gまでなら食べてかまいません。でも、ピザ用チーズを常備している人は、朝、昼、晩と、かけられるものには何にでもチーズをかけて食べがちで、気づかないうちに1日100gもとってしまう人がいるのです。これだけで339kcalも、カロリーがアップします。
ベーコンも危険です。高カロリー・高脂質の代表のような食材なので、できれば食べてほしくありません。ところがなかなか痩せない人は冷蔵庫に常備していて、卵料理の付け合わせはもちろん、サラダ、野菜炒め、スープと、何にでも入れてしまいます。ベーコンを食べるというより、料理にコクを出すためにだし代わりに使っているのです。
油揚げもベーコンと同様です。味噌汁、炒め物、煮物と、やはりコクを出すためにどんどん入れてしまう人がいます。豆腐から作られるので健康的なイメージがあるようですが、油で揚げてあるので決してヘルシーな食材とはいえません。
これらの食材に心あたりのある人は、要注意です。日常的に食べていたら、当然太ります。さっそく冷蔵庫を見直して、これからはできるだけストックしないように心がけてください。
本文は『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)より一部抜粋・編集しています。
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著者メッセージ
この本をだすきっかけは、とあるテレビ番組のダイエット監修を依頼されたことでした。
番組では、栄養指導の経験から得たダイエットの邪魔をするキッチン事例と、その解決策が紹介され、お陰さまで好評を得ることができまして今日に至りました。
私はなかなか痩せない多くの方の原因は、キッチンやその周囲環境と無意識な食行動にあると感じています。自分自身で知らずに痩せないしくみを作っているのです。しかし、それに気付いている方はほとんどいません。
本著では、どこに痩せないしくみがあるのか、数多くの問題点を事例として挙げ、すぐに実践できる簡単な改善策も具体的に提案しました。ご自身の痩せない原因の気づきになればうれしいです。
書籍紹介
『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)
ダイエットは、体重計に惑わされずに、行動と生活を変えることで、少しずつ体重を落としていくことが大切。遠回りに感じるかもしれないが、長期的に環境を変えていくことが、ダイエットを成功させる秘訣だ。
管理栄養士の森氏は、キッチンの「太らせポイント」をなくすことが大切! と主張する。
太ってしまう人のキッチンには、太る原因となる多数の共通点があるのだとか。
そこで本書では、“太るキッチン“の仕組みや習慣を変えて、“やせるキッチン”へと変えるポイントを指南する。
著者紹介
森 由香子(もり ゆかこ)
管理栄養士。日本抗加齢医学会指導士。
東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。医療機関をはじめ幅広い分野で活動中。クリニックで、入院・外来患者の栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導、フランス料理の三國清三シェフとともに、病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、料理本の制作などの経験をもつ。日本サルコペニア・フレイル学会会員・日本認知症予防学会会員・日本排尿機能学会会員・日本時間栄養学会会員。抗加齢指導士の立場からは、〈食事からのアンチエイジング〉を提唱し、「かきくけこ、やまにさち」®食事法の普及につとめている。