腹痛の原因は?

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 秋は食欲が増す傾向にあることや旬を迎える農作物が多いことなどから、「食欲の秋」といわれています。おいしい食べ物が多いため、食べ過ぎには注意が必要です。

 食べ過ぎなどが原因で腹痛になった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。すぐに横になっても問題ないのでしょうか。腹痛の原因や対処法について、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

主な原因は「胃腸炎」「便秘」

Q.腹痛の主な原因について、教えてください。一番多い原因は「食べ過ぎ」なのでしょうか。

市原さん「食当たりなどによる急性胃腸炎のほか、便秘や胆のう炎、虫垂炎など、さまざまな原因が挙げられますが、特に多いのは胃腸炎と便秘です」

Q.腹痛になったときの対処法について、教えてください。例えば、どのような姿勢で過ごしたらよいのでしょうか。

市原さん「基本的に、腹痛などで体調が悪いときは、水分を少しずつ摂取するとともに、横になって安静にするのをお勧めします。

ただし、食べ過ぎで腹痛が生じた場合、胃酸が過剰に分泌されることで、胃痛を引き起こすことがあります。この場合、横になると胃酸がさらに食道へ上がりやすくなり、症状を悪化させる可能性があるため、注意してください。横になってみて、楽に感じるようであればその姿勢を維持しましょう」

Q.腹痛がなかなか治まらない場合、どのように対処したらよいのでしょうか。医療機関を受診する目安のほか、やってはいけない行為も含めて、教えてください。

市原さん「先述のように、腹痛の原因はさまざまです。腹痛時に嘔吐(おうと)や下痢の症状があり、明らかに胃腸炎の場合、水分が摂取できていて、適度に排尿も可能なようであれば、脱水ではないため、急いで受診する必要はありません。

それ以外の腹痛で、『半日経っても改善しない』『発熱や吐き気、その他の症状を伴う』という場合は医療機関を受診してください。

また、腹痛のときに食べ物を摂取すると。症状が悪化する可能性があるため、控えましょう」

Q.腹痛が治まった翌日以降に食事をする際は、どのような食べ物や飲み物を摂取したらよいのでしょうか。

市原さん「念のため、おかゆやリンゴなど、消化のよい食べ物を摂取するとよいでしょう。脂肪分が多い食べ物のほか、香辛料などの刺激物は、胃腸に負担をかける可能性があるため、摂取を避けてください」

 腹痛の症状が出た場合、まずは胃腸炎や便秘の可能性を疑った方がよいかもしれません。もし症状が半日以上続く場合は、医療機関を受診しましょう。