子どもに水筒を持たせるときは転倒事故に要注意

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 まだまだ暑い日が続いており、小まめな水分補給が欠かせません。そんな中、子どもが水筒を首や肩に掛けて持ち運んでいるときに転倒した際、水筒が腹部に当たり、内臓損傷などの大けがを負ったケースが発生しているとして、消費者庁が注意を呼び掛けています。

水筒を掛けた状態で走らせないこと

 消費者庁によると、同庁と国民生活センターに対して、水筒を持ち歩く子どもの転倒事故に関する情報が医療機関から寄せられています。次のような事故が発生しているということです。

・水筒(1リットルの容器)を斜め掛けにして歩いていたところ坂道で転倒し、地面と水筒に挟まれる形で腹部を強打。脾(ひ)損傷のため集中治療室に入院し、保存加療で10日後に退院した(9歳)

・通学中に友人と追いかけっこをしていたところ転倒し、斜め掛けしていた水筒が腹部の右側に当たった。痛みと嘔吐(おうと)があり救急搬送され、小腸破裂、汎(はん)発性腹膜炎のため緊急手術の上、集中治療室に入院した(10歳)

・登校中、走っていたところ硬い土の場所でつまずいて転倒。その際、首から提げていた水筒が、地面とおなかの間に挟まり、腹部を強打。内臓損傷により、膵臓(すいぞう)50%程度および脾臓(ひぞう)を摘出した(7歳)

 日本小児科学会によると、子どもは「転倒しやすい」「転倒した際に反射的に手をつくといった動作が取りにくい」といった特徴があるほか、腹部臓器の占める割合が大きく、おなか周辺の筋肉が弱いなどの理由から、腹部に外から力が加わった場合に内臓損傷が起こりやすいとされています。

 そこで、消費者庁は、子どもに水筒を持ち歩かせる際は、「水筒をできるだけリュックサックなどに入れる」「水筒を首や肩に掛けているときに走らない」「遊具などで遊ぶ場合は、水筒を置いて遊ぶ」の3点を意識させるよう、アドバイスしています。

 その上で、水筒を持ち歩いているときに転倒した際の危険性について、日頃から子どもに教えておくことが大切だと強調しています。