タリーズのモーニングは6種類。パンとドリンクのショートサイズがセットになっています(筆者撮影)

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第41回となる今回、訪れたのは「タリーズコーヒー」です。

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飲食チェーンが密かにしのぎを削っているジャンル、それが「モーニング」です。集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ販売される限定メニューは、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。

なかでも美味しいコーヒーと共に楽しむ朝食を提供するカフェチェーンは、多くの人に愛されています。今回はカフェチェーン店舗数第4位、全国に約760店舗を展開する、「タリーズコーヒー」のモーニングをご紹介します。

タリーズのモーニングは6種類


朝限定メニューは6種類。販売時間はオープンから11時半までと、長めです(筆者撮影)

「タリーズ」のモーニングは、販売時間は開店から午前11時30分まで。

サンドイッチやホットサンドなどの調理パンと、ショートドリンクのセットです。パンはそれぞれ単品でも販売していますが、モーニングセットで購入すると、単品でオーダーするよりも、100円から130円ほど値引きされるので、ちょっとお得になる計算です。

カフェチェーンのなかでは豊富なメニュー数

メニューは6種類。カフェチェーンのなかでは、かなり豊富な部類です。

・クロックムッシュのホットサンドセット 税込650円
・イングリッシュマフィンハムエッグセット 税込630円
・バター香る フレンチトーストセット 税込650円
・ボールパークドッグプレーンセット 税込580円
・ハムチーズ&サラダサンドセッ卜 税込630円
・たっぷりタマゴサンドセット 税込630円

サンドイッチはラッピングされた状態でそのまま出てきますが、ホットサンド系は、リベイクされてお皿にのせてもらえます。


たっぷりタマゴサンドは、ネーミングに偽りなし。タマゴフィリングぎっしりです(筆者撮影)


イングリッシュマフィンハムエッグセットは、もちもちのイングリッシュマフィンに、ハムとスクランブルエッグをはさんで(筆者撮影)

セットドリンクは7種類から選べます。

・本日のコーヒー ショートサイズ
・アイスコーヒー ショートサイズ
・ティー ショートサイズ(HOT/ICED)
・カフェラテ ショートサイズ(HOT/ICED)+税込44円
・ソイラテ ショートサイズ(HOT/ICED)+税込99円
・ロイヤルミルクティー ショートサイズ(HOT/ICED)+税込66円
・ヨーグルト&アサイー(HOT/ICED)+税込165円

「ヨーグルト&アサイー」以外のメニューは、税込55円を追加してサイズアップも可能です。


本日のコーヒーはタリーズアニバーサリーブレンドミディアム。しっかりしたボディのバランスの良いコーヒーです(筆者撮影)

栄養バランスが気になる方には、サイドメニューの追加もおすすめです。

・ハニーヨーグルト 税込200円
・グリーンミニサラダ シングル 税込195円
・グリーンミニサラダ ダブル 税込390円


「ボールパークドッグ」以外は、オーダーカウンターの隣にある、チルドショーケースに陳列されていました(筆者撮影)

クロックムッシュのホットサンドセット650円


タリーズモーニング クロックムッシュのホットサンドセット650円(筆者撮影)

店頭のポスターでも、オーダーカウンターのメニューシートでも、一番大きな写真が掲載されていたのが「クロックムッシュのホットサンドセット」です。


店頭ポスター。NEWと大きく書いてありますが、メニューに加わったのは半年以上前とのことでした(筆者撮影)

カウンター前で待つこと、わずか1分。お皿にのったクロックムッシュが、ホカホカアチアチで、チーズとろり、表面のホワイトソースは焦げ目もついて香ばしく、かぎりなくベストな状態で提供されました。朝から待ちたくないので、このスピード感はありがたすぎます。

リベイクまで考えて開発されているメニュー

パッケージングされた調理済みのパンがショーケースに並んでいるので、店内調理ではなく、セントラルキッチンメイドっぽいのですが、リベイクまで考えてメニュー開発されているようです。


しっとりしたホワイトソースに、ほどよい焼き色をつけて、香ばしさをプラス(筆者撮影)

パンの表面に塗られているホワイトソースは、シンプルな味付けのベシャメルソース。パンの間にはチーズとハムが挟んであります。ハムは1.5枚も使用され、なかなかにリッチです。包み紙にくるんで、ワンハンドでガブリと豪快に食べると、パンの外周はカリッ、中はしっとりの、食感が楽しめます。

セットにはアイスティーをチョイス。タリーズのアイスティーは水出しで抽出されていて、渋みや雑味が少なく、まろやかというか軽やかというか、独特の飲みやすさが魅力です。茶葉はアールグレイで、口内に含むと柑橘のベルガモットの香りがふわりと広がります。


アイスティーは水出し。茶葉はアールグレイで華やかな味わい(筆者撮影)

タリーズのクロックムッシュは優しい味で、朝イチのペコペコのお腹を、程よく満たしてくれます。パンとドリンクで税込650円という価格設定は、高くはないけれど安くもない。

牛丼チェーンなら半分ぐらいの値段で卵かけご飯と味噌汁が食べられるし、朝マックなら同じぐらいの値段でサイドメニューまでついてくる。でも、不思議と行きたくなる店なんですよね。「タリーズ」って。

タリーズは安定した居心地の良さが嬉しいカフェチェーン


タリーズコーヒージャパン株式会社は、伊藤園の完全子会社(連結子会社)です(筆者撮影)

ところで、タリーズが、伊藤園の完全子会社ってご存じでしたか?

「タリーズ」はカフェチェーンの店舗数第4位で、店舗数は約760。1位の「スターバックス」は1700店舗以上なので、その差は1000店舗ほどです。が、わが家の近辺は「タリーズ」激戦区。家から駅までの徒歩7分ほどの距離に、4店舗の「タリーズ」が営業しています。

ただ正直なお話、これまで私にとって「タリーズ」は「スタバに行きたい気分のときに、まわりにスタバがないから入る店」みたいな、スタバの代替品のような存在でしかありませんでした。


タリーズ店頭で、オリジナルテディベアのグッズを販売していました(筆者撮影)

どちらも、アメリカ発の「シアトル系カフェ」として創業し、ほぼ同時期に日本に出店を開始(スターバックスが1996年、タリーズが1997年)したこと、メニュー内容も価格設定もなんとなく似ていることなどから、混同しやすいというのもあったのかもしれません。

しかし、近所のカフェが「タリーズ」ばっかりという状態になり、かなりの頻度で「タリーズ」を利用して気づいたことは、「タリーズは居心地がめちゃくちゃいい!」ということです。

わが家の近所の「タリーズ」は、どの店もオフィスビルの1階のテナントで、施設の雰囲気に合わせて床材や内装などはバラバラなのですが、茶色と深みどりを基調とした、落ち着いた配色の店内は、明るすぎない照明で、リラックスできる雰囲気です。


カウンター前では、グッズのほかに、コーヒー豆の販売もしていました(筆者撮影)

席間はゆとりを持って配置されていて、テーブルサイズも比較的広めになっています。カウンター席にはコンセント。こげ茶の木製のテーブルは、昔ながらの喫茶店よりも少し高め。ノートパソコンを開いたり、手帳を書いたり、作業しやすい高さに設定されているようです。

コワーキングにも向いている「居心地の良さ」

どの店内にも登録不要で利用できるフリーWi-Fiが常設されているうえに、コロナ禍にオープンした店舗はカウンター席に木製の仕切りがあり、勉強机のようなつくりになっている席もあります。


USBもついたコンセント。カウンターテーブルは奥行きもあり、ノートパソコンを開くことを想定してあります(筆者撮影)

朝の店内は上階に勤務しているであろうビジネスマンたちで賑わい、ほとんどの人がスマホもしくはノートパソコンを眺めています。カフェ兼ノマドスペースという雰囲気が漂っています。

コワーキングスペースより、コワーキングしやすい環境が、コーヒー1杯で手に入る。全然高くない、むしろ安いと気がつきました。ほどよくざわついた店内は、かえって集中力が高まり、家にいるより仕事がすすむことも。


フリーWi-Fiの接続画面。速度も速く快適なネット環境を提供してくれます(筆者撮影)

もちろん「個性」や「おしゃれさ」や「安さ」など、独自の色を持たせることも大切ではあるのですが、結局リピートする理由って「居心地の良さ」なのかもなぁと「タリーズ」は気づかせてくれます。「代金を支払ってから1分でアツアツのホットサンドが出てくる」とか「座り心地の良い椅子と、広めのテーブル」とか、実はそういうことが、一番大切なのかもしれません。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)