香港の出生率は約30年前から一貫して下がり続けている(写真はイメージ)

香港の少子化が止まらない。公益団体の香港家庭計画指導会(家計会)が8月15日に発表した最新の調査結果によれば、香港の夫婦1組が持つ子どもの数は平均0.9人と、過去最低記録を更新した。

この調査は5年に1度実施されている。今回は2022年9月から12月にかけて、年齢が15歳から49歳までの夫婦または同居カップルを無作為に1502組抽出し、家計会が訪問調査を行った。

その結果、2022年は子どものいない夫婦の割合が43.2%に上り、2017年の20.6%から2倍以上に増加。一方、子どもが1人の夫婦は27.4%、2人の夫婦は25.2%と、いずれも5年前より約10ポイント減少した。

出生率はアジア最低水準

香港の出生率は、約30年前から一貫して下がり続けている。香港政府統計局が2023年2月に発表したデータによれば、2021年の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子どもの数)は0.772と、人口置換水準(人口が増加も減少もしない均衡状態となる出生率)の2.1をはるかに下回っている。

香港の出生率は欧米の先進国よりずっと低く、アジアの国・地域との比較でも日本、シンガポール、台湾を下回り、韓国とほぼ同じ水準だ。その背景には、若者の晩婚化や結婚しない女性の増加など複数の要因があると、香港統計局は指摘している。


本記事は「財新」の提供記事です

同じく香港統計局のデータによれば、香港女性の初婚年齢は1991年の平均26.2歳から、2021年には同30.6歳に上昇。結婚しない女性の比率も過去20年で大幅に上昇し、40歳から44歳の女性の未婚率は20%に達した。

(財新 駐香港記者:文思敏)
※原文の配信は8月16日

(財新 Biz&Tech)