札幌記念に出走予定のヒシイグアス(撮影:下野雄規)

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 サマー2000シリーズ第4戦。とはいえ最高賞金を誇る定量戦のGII競走で、このレースをステップに秋のGI戦線へと挑む馬も少なくない。

 例年通りに今週からCコースが使用されるが、実力馬にとって有利な舞台設定であることに変わりはない。その一方で函館競馬場で行われた2013年を含めて1番人気馬は11連敗中。2011年のトーセンジョーダンを最後に勝利からは遠ざかっている。

 ◎ヒシイグアスは中山記念の優勝馬。宝塚記念2着、香港カップ2着とGI級の力を秘めるが、使える脚が短いので長い直線よりも小回りの競馬場向き。前走の大阪杯は、前々走の中山記念がプラス14kgだったとはいえ、そのプラス分がすべて余裕残しだったとは思えず馬体重マイナス18kgの影響がなかったとも思えない。札幌競馬場は初めてだが、香港で好走歴がある事から洋芝を苦にするとも思えず中心視したい。

 〇トップナイフは弥生賞2着。のちにダービーを勝つタスティエーラから1馬身差2着で、ホープフルSは逃げてハナ差2着。皐月賞は出遅れが響き、ダービーはやはり距離か。札幌競馬場2000mは初勝利を飾った縁起の良い舞台。どんな競馬もできる反面、やや勝ち味に遅い馬ながらも豊富なキャリアを持つ馬で、そのキャリアは3歳世代の中でも上位のものがある。

 ▲プログノーシスは金鯱賞優勝馬で、クイーンエリザベス2世C2着馬。ここは海外帰りの1戦という点がマイナスだがデビューからの通算成績が【5-2-1-1】で、唯一の圏外も勝ち馬から0.1秒差4着。デビューが遅れ、初出走となった未勝利戦を勝ち上がった直後の毎日杯でシャフリヤールから0.3秒差なら素質は高いはず。できることならもう少し内目の枠が欲しかったところか。

 △ジャックドールは昨年の優勝馬。エアグルーヴ以来の連覇を狙う。出来れば逃げたいところだが、逃げなくても競馬ができる馬。この枠ならばCコース1周目で状態の良いところを通れるのもプラスに働きそうだ。

 △ダノンベルーガはドバイターフ2着、天皇賞(秋)3着。ダービーで1番人気に支持されたように世代でも上位の馬だ。△ウインマリリンは香港ヴァーズ優勝馬で、昨年の本レース3着馬。結果から言えば昨年はやや余裕残しだったか。△シャフリヤールはダービー馬でドバイシーマクラシック優勝馬。能力は最右翼かもしれないが、小回りの2000mはベストの舞台ではないはず。抑えまで。