札幌記念に出走するジャックドール(撮影:高橋正和)

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 今週の日曜日は、札幌競馬場で札幌記念(GII)が行われます。

 札幌記念は毎年豪華メンバーによって争われる事から「スーパーGII」とも呼ばれており、ハイレベルなレースになる傾向があります。近5年の札幌記念では3着以内に入った延べ15頭の内、13頭が国内外のGIで連対経験があった事からもレースレベルの高さがうかがえます。

 GIで連対経験のない馬で上位争いに絡んだのは18年サングレーザーと22年ジャックドールです。この2頭はGIで掲示板に載った経験がありましたし、サングレーザーは次走の天皇賞(秋)(GI)で2着と好走。ジャックドールは今年の大阪杯(GI)で優勝と高い能力を有していました。

 ハイレベルな札幌記念では高い能力を備えている事が必要不可欠ですし、それまでの実績からそれを証明している事が重要と言えそうです。今年も各馬の能力や実績に注意し予想を組み立てたいところです。

 今年の札幌記念には15頭が出走を予定しています。上位人気が予想されるのは昨年の札幌記念覇者であるジャックドール、前走で世界の強豪相手に連対を果たしたダノンベルーガやプログノーシス、21年の日本ダービー(GI)勝ち馬シャフリヤールなどがいます。

 そのほかにも近走堅実な走りを見せるマテンロウレオや重賞で2勝を挙げているソーヴァリアント、GIで連対経験を持つヒシイグアスなども出走を予定しています。

 例年と比べても遜色のない豪華メンバーによる一戦で、はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。

◆史上2頭目の連覇を目指す

 今週の札幌記念でAIが本命に抜擢したのは、上位人気が予想されるジャックドールでした。

 週初の本命候補3頭には挙がっていなかった本馬ですが、その予想が一転しジャックドールに高評価が与えられました。

 ジャックドールは20年12月の新馬戦でデビュー。3歳春までに挙げた勝ち鞍は僅か1勝と目立った実績はありませんでした。しかし、3歳の秋初戦となった21年9月の1勝クラスで2勝目を挙げると、そこから怒涛の5連勝で金鯱賞(GII)を制覇し重賞ウイナーの仲間入りを果たします。

 続く大阪杯(GI)で5着に敗れ連勝はストップしますが、仕切り直しの一戦として挑んだ札幌記念で優勝し重賞2勝目を挙げます。今年は昨年敗れた大阪杯でリベンジを果たし、待望のGI制覇を成し遂げています。

 今回の札幌記念では98年のエアグルーヴ以来の連覇を懸けて出走します。札幌記念が芝2000mで施行されるようになった90年以降、連覇を果たしたのは先述したエアグルーヴのみです。ジャックドールが勝利すれば現行の条件では史上2頭目の快挙となります。ジャックドール自身、今年はGIを制し昨年よりも地力が強化されているのは明らかですし、偉業を達成する可能性は非常に高いと言えるでしょうし、人気に応える走りに期待できるはずです。