2021年の日本ダービー(撮影:下野雄規)

写真拡大

 8月20日に札幌競馬場で行われる札幌記念(3歳上・GII・芝2000m)。豪華メンバーが揃う“スーパーGII”の中でも、特に注目を集めているのがシャフリヤール(牡5、栗東・藤原英昭厩舎)と横山武史騎手のコンビだ。今回、初めてタッグを組むことになったこの人馬だが、かつてレースで3度ほど相まみえたことがある。

 初めて同じレースに出走したのは2021年の共同通信杯。横山武騎手はエフフォーリアとコンビを組んでおり、シャフリヤールは福永祐一元騎手(現技術調教師)と共に初めての重賞挑戦だった。レースは先行したエフフォーリアが快勝し、初重賞制覇を達成。クラシックの主役へと名乗りを上げた。初めての東京コースに挑んだシャフリヤールは3着に。続く毎日杯を勝利し、全兄アルアインとの兄弟での同一重賞制覇を果たした。

 2度目の対戦は日本ダービー。無敗で皐月賞を制してここに臨んだエフフォーリア&横山武騎手は、大舞台でも圧倒的な支持を獲得。直線力強く抜け出したものの、虎視眈々と脚を溜めていたシャフリヤールがゴール前で猛追。壮絶な叩き合いの末に、第88回日本ダービー馬の称号はシャフリヤールが手にすることとなった。

 多くの人々の記憶に残る激戦の後、同年のジャパンカップが3度目の対戦に。シャフリヤールは1コーナーで内ラチにぶつかるアクシデントがありながらも3着に入っており、横山武騎手は当時アリストテレスに騎乗していた。

 ライバルとして過ごした日々から約2年。シャフリヤールはデビューから11戦を走り、1度も掲示板を外さない抜群の安定感を誇っている。22年にはドバイシーマクラシックを制し、史上初の海外G1を制した日本ダービー馬に。横山武騎手はソールオリエンスで皐月賞を制すなど、現在関東リーディング1位の活躍を挙げている。藤原英昭厩舎と同騎手のタッグは珍しく、過去6度のみ。まさに異色タッグとなったかつてのライバル同士が、期待に応えられるのか。レースの行方に注目したい。