【スポーツメンタル】自分よりも優れている人への嫉妬をどうすべきか?
アスリートである私たちは、競争と向き合う日々を送ります。
その競争社会の中でどうしても避けても通れないのが優劣になります。
「自分よりも上手い」
「自分よりも強い」
自分に基準にして上、下と定めるのがアスリート人生だと思います。
しかしそのようなことを続けていると気持ちの浮き沈みは避けては通れません。
だからこそ、ライバルや後輩への嫉妬をどうクリアにしていくべきか?
とても重要なことだと思っています。
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自分の弱みと向き合った高校球児
以前、甲子園に出るような高校で頑張る選手とのコーチングでこんな話がありました。
それが、
「どうしてもライバル選手が気になる・・・。」
「自分はレギュラーとして出ているがいつレギュラーから剥奪されるかわからない・・・」
そんな瀬戸際のメンタルでした。
そんな彼が一番苦手としていたのが「バント」でした。
バントが苦手で、バントのサインが怖いと。
接戦になるとバントが必要な場面で代打を送られていたのです。
だからこそなんとかバントを克服したい気持ちがずっとありました。
しかし、バントが出来ない自分の心とは向き合いきれてなかった日々が続いていました。
そこでバントが出来ない自分を認める努力をしてみました。
一般的に、出来ないことを認めてしまうと成長が止まってしまうのではないか・・・と思われがちです。
彼は、弱さを認める怖さがあったと話もしてくれました。
しかし、その弱さを認めきれないからこそいつまでもメンタルが成長しきれない彼がいたのも事実としてありました。
認めることは負けを認めるようなもの・・・
そして、弱さを認めることはライバルとの差が広がる怖さも同時にありました。
成長したいけどレギュラーを失う恐怖。。。
バントに対して負の執着を持っていたことで自信があったバッティングも崩れかけていました。
弱さと向き合う中で彼がバントに対して考え方を改めるキッカケが起きました。
それは、仲間の存在でした。
自分が出来ないことを最も簡単に出来る仲間。
その仲間こそがライバルの存在だったのです。
そんなライバルに自分のプライドを捨て頭を下げて教えてもらいにいったのです。
結果的にバントが劇的に上手くなった訳ではないのですがライバルとの信頼関係が良くなりました。
最後の夏、大事な場面で自分に代打をしてバントしくれるライバルの背中を心から応援できる自分になれたと話してくれました。
自分を認めることで他人も認められる
今回、自分を認めることで他人も認めてあげる事例をお伝えしました。
「自分を認めてあげること」
これを自己受容と言ったりします。
あるがままの自分を理解し認めたうえで、全てを受け入れることを指します。あるがままの自分とは、いいところも悪いところも全てひっくるめての自分のことです。自己受容する場合には、長所・短所それぞれを評価したりはせず、無条件で受け入れます。
この言葉の中でも悪いところも認めるって結構大変ですよね?
何故ならば、できないことをできるように努力しているアスリートだからこそだと思います。
そこで勘違いして欲しくないのが1つだけあります。
それが、「克服すること」と「認めること」は違うということです。
「できない」を「出来るようにする」
この過程はとても大事です。
アスリートとして結果を生み出すには成長し続けていくしかありません。
しかし、その際に心の底から認めることが出来て初めて弱みと向き合えることがあります。
認めるからこそ今までとは違った物事の捉え方ができるようになるのが不思議なものです。
人はどうしても自分にとって都合のいい解釈をしがちです。だからこそ、物事を見ていく為にもありのままを受け入れる気持ちを是非とも大事にしてみてください。
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。