ロドリゲス選手(写真:Shutterstock/アフロ)

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プロボクシングの元IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ、30)が2023年8月12日、米メリーランド州で行われるIBF世界バンタム級王座決定戦に出場し、同級3位メリビン・ロペス(ニカラグア、25)と王座を争う。

ロドリゲスはIBF同級王者時代の19年5月に井上尚弥(大橋、30)と対戦し2回TKO負けを喫した。20年12月の再起戦でレイマート・ガバリョ(フィリピン、26)とWBC世界バンタム級暫定王座を争い1−2の判定で敗れて連敗。その後2連勝で世界ランキングを上げ王座決定戦出場を決めた。

「KOは時間の問題だろう」

ロドリゲスの地元メディア「Primera Hora」(WEB版)は2023年8月6日に王座決定戦の特集記事を公開した。ロドリゲスは同メディアの取材に対して「ロペスをKOする。8ラウンドまでには試合を支配し、KOは時間の問題だろう」と自信をのぞかせた。

豊富なアマチュアキャリアを誇り、プロ入り後は井上と対戦するまで全勝をキープするなどエリート街道を歩んできたロドリゲス。全勝対決となった井上戦では、強烈なパンチを浴び3度のダウンを喫して完敗した。

井上はその後、世界主要4団体のバンタム級王座を統一。今年7月25日にWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国、29)に挑戦し、8回TKO勝利で新王者となった。

「モンスター」に真っ向勝負を挑み2回に散ったロドリゲスは、ロペスとの「経験値」の違いを主張した。ロドリゲスは「私の経験がロペスとの違いを生むだろう」とし、「このタイトル戦は70%が精神力、30%が体力になるだろう。私は賢いファイターだ」と語った。

ロドリゲスは井上戦後、ツキに見放され世界王座獲得の機会を逃した。

19年11月に元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ、28)とWBC同級挑戦者決定戦を行う予定だったが、ネリの体重超過により試合が中止に。20年12月の暫定王座決定戦では新型コロナウイルスの影響で急遽対戦相手がガバリョに変更となり、結果ロドリゲスが1−2の判定で敗れたが、試合を中継したテレビ解説者がロドリゲスの勝利を支持するなど物議を醸した。

ようやく巡ってきた世界戦のチャンスにロドリゲスは「プエルトリコの5人目の世界チャンピオンになれたらどれほど素晴らしいだろう」と語った。現在プエルトリコには男女合わせて4人の世界王者が存在し、ロドリゲスが王座を獲得すれば5人目の世界王者誕生となる。