100件のモデルルームを見学しても、「やっぱり家づくりに後悔はつきもの」と感じた日刊住まいライター。ハウスメーカーで新居を建てる際、夫婦でとくに重要視した寝室ですが、いざ住み始めると、残念な点がいくつかありました。寝室に採用して、後悔していること&よかったことを紹介。間取りと設備の観点から語ります。

わが家の寝室は広さ6畳、隣は書斎の間取り

現在、夫婦でふたり暮らしをしている筆者。2年ほど前、30代目前にハウスメーカーで平屋を建てました。

寝室は毎日必ず使う部屋なので、入念に調査して家づくりしたつもりです。当時住んでいた賃貸の寝室の広さは6畳。新居はグレードアップして、8畳ほどにしたいと思っていました。

いろいろあってでき上がったわが家の寝室のスペックは、以下の通りです:

・32坪平屋の北に位置する
・広さは6畳
・ベッドはクイーンサイズ
・0.5畳のちょっとした収納と2畳の書斎が隣接する

2年ほど暮らしてみて、このプランで後悔したこと、よかったと感じることを説明していきましょう。

 

後悔:窓から朝日が入らず寝覚めが悪い

おしゃれを意識して、わざわざ設置した横長の窓。ここから、朝日が十分に入りません。

ベッドの上に横長の窓がある部屋の雰囲気が好きで、採用したのですが…。日が昇る角度と窓の位置の相性がイマイチ。朝日が顔に当たらず、以前の住まいより、筆者は寝覚めが悪くなりました。

ちなみに、ベッドの足元側には朝日が当たります。もう少し窓を大きくしたら、しっかり朝日を浴びることができたろうと後悔。

ベッドの向きを変えて対応しようにも、すでに窓側のベッドサイドにスイッチをつけてしまっています。向きを変えたら見栄えと利便性が悪くなるので、そのままにガマンすることに。

 

後悔:ベッド横スイッチ、位置が高くて押しづらい

前述のとおり、入眠の際に、寝転がったままベッドから照明が消せるように、壁に照明のスイッチを設置しました。クイーンサイズのベッドを壁づけして置くことを想定し、そのサイズに合うように、間隔も調整。しかし、位置が高すぎた!

寝る前にベッドに寝転がってスマホや本を見て過ごし、いざ寝ようというときに、とても面倒です。スイッチ押すには、起き上がらないと手が届きません。

スムーズにスイッチが押せる高さにあったら…。毎晩の入眠前のイライラは、きっとなくなったことでしょう。

 

後悔:ダウンライトを足元側につけたのにまぶしい

寝室のダウンライトは、ベッドに横になったときに顔の真上にあるとまぶしい…。そんな情報があったので、足元の方にダウンライトをつけました。

にもかかわらず、やっぱりまぶしい! もちろん真上にあるよりはマシかもしれませんが。

どうやら原因は、わが家の天井が270cmと少し高めだから。高い分、視界にダウンライトの光が、目に直接入りやすいのです。

 

では、どうすべきだったのか。写真のような(わが家のキッチンです)、スポットライト性の強いダウンライトなどを選ぶべきでした。あるいは、真下を照らすのではなく、壁に向かって光を当てるような関節照明の仕組みにしておけばよかったです。

後悔:書斎が隣接していて、夜中まで作業がしにくい

書斎のような狭い部屋は暑くなりやすい。ということで、隣接する寝室のエアコンから涼しい空気を取り込むことにしました。そのため、寝室と書斎の間にドアをつけていません。

これが失敗でした。確かに、室温管理の観点からは、ドアがなくて正解。しかし、書斎の明かりが寝室に漏れてしまいます。家族が寝ていると、書斎で作業がしにくいです。

しかも悪いことに、書斎への出入り口はベッドの頭側。ダイレクトに明かりが伝わってしまいます。

寝室と書斎は離すとか、ドアをつけて書斎にも冷房をつけるとか、家づくりの段階で、もっと検討をしておくべきでした。

 

後悔:収納につけたハンガーパイプを使っていない

寝室で、ちょっとした服がかけられたら便利かも。そう思って、0.5畳ほどの収納スペースを寝室につくりました。壁に可動式の棚を設置。その棚板のひとつに、ハンガーパイプをつけました。

しかし、このハンガーパイプ、まったく使っていません!

結局、寝室近くにあるウォークインクローゼットで、ことたりています。稼働棚のひとつにハンガーパイプをつけているのですが、まったく使っていないので、むしろほかの収納のジャマになっています。

幸いなことに、収納棚の棚は可動式。棚を調整、「ハンガーパイプを見ぬふり」して、収納棚を利用しています。

 

満足:6畳の広さに妥協しておいてよかった

当初、寝室は8畳以上に…と思ったものの、6畳の広さに妥協してよかったです。

家全体の間取りを考えると、自分たちの予算内で、8畳を確保するのは難しい。そんな事情が確かにあったものの、よく考えてみると寝室って、いわば寝るだけの部屋。

「そんなに広い意味ないんじゃないか?」と夫婦で話し合って6畳の間取りを採用しました。結果、6畳で全く問題なかったです!

理想より少し狭くすることで費用を節約できたし、お客さんの目に触れない寝室に見栄を張る必要もないですね。

置きたかったクイーンサイズのベッドは、6畳でも問題なし。まだスペースに余裕があるので、将来、家族が増えても対応できそうだなと思います。

満足:ベッド横の調光照明でリラックス時間を

ダウンライトとは別に、調光タイプのペンダントライトを取りつけました。ダウンライトは部屋全体を照らしたいときに。ペンダントライトは少し明かりが欲しいときにと、部屋の雰囲気を使い分けることを考えて採用しました。

おしゃれな雰囲気になることはもちろん、調光タイプというのがまたいい! 明るさを調節できるので、寝る直前に、ほんのり明かりを照らせて落ち着いた空間にできます。

寝室でのリラックスタイムをつり出すアイテムとして、とても気に入っています。

 

満足:ほかの部屋と雰囲気を変えたら、入眠しやすい

じつはわが家は、寝室だけ全面を色つきの壁紙にしていました。これが大正解。ちなみにその色は、お気に入りのグレージュです。

なぜ正解かと言うと。リビングなど普段の生活スペースの白い壁紙と、雰囲気がからりと変わるから。おかげで、「これから寝よう」と気持ちも一緒に切り替わり、筆者は入眠しやすい気がします。

 

床もほかの部屋と違うものを使って、雰囲気を変えました。わが家の床材は、基本ウォルナット色のフローリング(無垢でない)を使って、モダンな雰囲気にしています。しかし、寝室だけは温かい空間にしたくて、オークの無垢材を床板に採用してみました。

無垢の床はサラサラしていて気持ちよくて、部屋の雰囲気も一気に変わります。おまけに、飽きがこないのもよいところ。

 

満足:収納にあえてドアをつけなくてよかった

広さの件でも書きましたが、寝室はお客さんの目に触れません。そのため、寝室の収納にはドアをつけませんでした。

おかげで、ものの出し入れが容易に。どこかに置きっぱなしに…という事態が起きることなく、ちゃんと棚を活用できています。それに、ドアの費用分少し節約もできました。

以上、わが家の寝室の後悔と成功をご紹介しました。家づくりの過程で、寝室の情報は重点的に調べていましたが、実際に住んでみるといろいろと不具合に気づいてきます。いろいろな家のリアルな意見をたくさん聞いて、後悔しない家づくりに役立ててみましょう。