防災を考えて住宅を購入するなら…

写真拡大

 3月11日は「防災意識を育てる日」です。東日本大震災の発生から12年を迎え、いま一度、家庭で防災について話し合ったり、備えを見直したりしている人もきっと多いと思います。そんな「家庭の防災対策」について、中古住宅購入とリノベーションのワンストップサービスを提供するgroove agent(グルーブエージェント、東京都港区)が調査を実施。その結果を発表しました。

中古には「長年耐えてきた」安心感も?

 調査は2023年3月、東京都在住の30〜50代の男女を対象に、インターネット上で実施。1000人から有効回答を得ています。

「『防災』という観点で購入するなら、どのタイプの住宅を購入したいか」について聞いたところ、「新築戸建て」が40%でトップとなりました。次いで、「新築マンション」(31%)、「中古マンション」(19%)、「中古戸建て」(10%)と続いています。

「新築戸建て」と回答した人に、その理由を聞いてみると、「免震や耐震構造を注文できる。大地震が起きたときにマンションだと倒壊しそうで怖いから」「マンションは電気、水道が利用できなくなると困る」「最新の耐震性を求める。マンションはエレベーターなど電気系統に弱く、個人では何もできない気がするので」「耐震性に優れ、太陽光パネルや蓄電などをつけることができるから」といった声が寄せられました。免震や耐震など、災害の備えに対する個人の希望を反映しやすい点が支持されていることがうかがえます。

「新築マンション」には、「耐震基準が最新だから。戸建ては災害発生時、強盗に狙われたりしそう」「基礎がしっかりしているし、防災用具も備えてありそうだから」「耐震性もよさそうだし、マンションの方が洪水被害が少なそうだから」「築年数が浅い方がよいのと、マンションの方が近隣住人と助け合えたり、管理会社や販売元の方で防災対策をしてくれていたりする場合があると思うから」「新耐震基準の鉄骨マンションが地震対策上有効だと思うため」といったコメントが。

「中古マンション」には、「新築が建てられるエリアは比較的新しいエリアで液状化が怖い。戸建ては、土地から買わなければならないから」「既に防災対策をしているところに建てられていると思う」「マンションの方が震災のときに周りと助け合えるし、中古だと周りに人がもう住んでいるので、何か災害があったときにすぐ確認できると思ったから」「過去の大きな地震にも耐えてきた中古マンションだと安心するから」などの理由が寄せられました。

 また、「中古戸建て」には「家の倒壊リスクがアパートなどよりも少なそう。戸建てなら安い中古物件がいい」「中古戸建てなら割安で、防災のためのリフォームなども手軽にできるので」「長年耐えてきた頑丈さのある建物だから」「ハザードマップで安全な場所であることを確認した上で新築よりも安く購入できると思うので」「中古じゃなければ買えない。猫を飼っているため戸建てがいい」などの声が集まり、リフォームのしやすさや購入費の観点から選択する人が多いことがうかがえる結果となっています。

 調査結果を受けて、同社は「防災面に関しては、ハザードマップの確認はもちろん、過去にどんな土地であったのかなどを細部にわたるまできちんと確認し、情報を開示してくれる仲介担当者が望ましいでしょう」とコメントを寄せています。