厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第14回:オープンファイア

 3歳牡馬クラシック三冠を含め、現役時にGI通算7勝を挙げたディープインパクト。引退後も種牡馬リーディングのトップに君臨し続け、数多くの活躍馬を送り出してきた日本競馬を代表する名馬だ。

 そのディープインパクトも2019年に死去。同年春に種付けされた現2歳世代が最後の産駒となる。ただ、亡くなった年に種付けした頭数はわずか。そのため、日本で走るディープのラストクロップは6頭しかいない。

 そんな数少ない忘れ形見のなかで、デビューを間近に控えている馬がいる。栗東トレセンの斉藤崇史厩舎に所属するオープンファイア(牡2歳/父ディープインパクト)である。


ディープインパクトのラストクロップのなかでも注目度が高いオープンファイア

 同馬は伝説的な父の血を引くとともに、優秀な母を持つ。現役時にアメリカで活躍したゴーマギーゴー。GIIを2勝して、GIでも4着に奮闘したことが2度ある。

 その母の子で"ディープ最終世代"となれば、注目度が上がるのは無理もない。実際にオープンファイアは、2021年のセレクトセールで3億円(税別)の高値で取引された。

 同馬はすでにトレセンに入厩し、初陣に向けて調教を重ねている。間近で見ているスタッフはもちろんのこと、現地で取材をしているトラックマンたちも、その素質の高さを感じているという。その様子を関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「各媒体のトラックマンの間では、『現2歳のディープ産駒では、オープンファイアが一番ではないか』という評判です。当然、厩舎スタッフも同馬の資質に惚れ込んでいて、『柔らかみのある走りをしていて、脚さばきなどはいい雰囲気ですね』と、同馬について語る際は声のトーンが上がっています」

 馬体や気性面についてはどうか。先述のトラックマンによれば、スタッフはこう語っているという。

「オープンファイアの馬体については、『大きくてガッチリしている』とのこと。この辺りは、『母のアメリカ血統が出ているかもしれない』と話していました。

 性格については『おとなしくて真面目に走る』とスタッフ。距離についてはこれから見極めていくとのことですが、ディープ産駒ですし、やはり中距離路線を意識しているのではないでしょうか」

 デビュー戦は、9月11日の2歳新馬(中京・芝2000m)を予定。鞍上はクリストフ・ルメール騎手が務める。

 競走馬としても、種牡馬としても、華々しい活躍を見せてきたディープインパクト。そのラストクロップの1頭、オープンファイアがどんな走りを見せるのか、楽しみでならない。