※この記事は2011年09月12日にBLOGOSで公開されたものです

特集・同時多発テロから10年：その７
9月11日、9時27分にテロリストによってコックピットをハイジャックされたユナイテッド航空93便は、乗客らの勇敢な行動によりテロリストたちの計画を阻止し、ペンシルヴァニア州郊外に墜落した。

当時このユナイテッド航空93便の墜落により夫を失った、4人の未亡人は"ジャージー・ガールズ"呼ばれメディアから大きな注目を集めた。

あれから10年経った"ジャージー・ガールズ"の現在を英新聞社であるガーディアンのWeb版が「9月11日の未亡人は同時テロから10周年たった今、注目されることを避けている」と題して報じた。【翻訳：清水泰輔（BLOGOS編集部）】

内容は下記の通り。

「もう私は自分のことを未亡人だなんて定義していない。」


同時多発テロが起きた2001年当時、テロによって夫を失ったニュージャージー州出身の４人の女性がいた。テロ攻撃に関する国務調査委員に抗議するなどして、その４人の女性たちは９月１１日のテロ攻撃による犠牲者の大きな象徴になった。しかし、同時多発テロから１０周年を迎え、感情高まるアメリカで"ジャージー・ガールズ"と呼ばれた彼女たちはメディアからの注目を離れ現在の生活を受け入れているようだ。

同時多発テロによって夫を失ったクリステン・ブライトウィーザーさん４０歳はObserverのインタビューで次のように語った。

「もう私は自分のことを未亡人だなんて定義していない。自分自身を９月１１日に起こったことで定義したくないように感じる。その方が健康的だし。私の夫は逝ってしまって、もう帰ってこないんだから。」

ブレイトウェイザーさんは来る10周年には12歳の娘と共に過ごす予定で、「二人でビーチに散歩にでも行くわ」と話した。

彼女たちは"ファイティング・スピリット"は失っていない


このような心情は他の"ジャージー・ガールズ"にも反響しているようだ。ロリエ・ヴァン・オークンさん(56歳)は今年の9.11はニューヨークで娘が出演する"ライフ・ゴーズ・オン(人生は続く）"を鑑賞する予定だという。

ジャージー・ガールズは長い間、テロ攻撃に関して最も発言をする人々だった。それぞれが最悪な状況で最愛の人を亡くした。ヴァン・オークンさんの夫であるケネスさんは債権トレーダーとしてカンターフィッツジェラルド社で働いていた。あの日、飛行機がワールド・トレード・センターに激突した後にケネスさんはヴァンさんに電話をかけ「愛しているよ」と最後の言葉を発した。

オークンさんも同様に想像もしなかったことに興味を抱いている。オークンさんも子供に集中しながらも、ジュエリーを作ったり、ハチの養殖にもチャレンジしている。地元であるニュー・ジャージー州にある大学で学科を取得後、彼女は自分で蜂の巣を管理し、ハチミツを収穫し、蜂が世界中で死んでいる原因を探している。

オークンさんは養蜂家たちを集め蜂の世界的な大量死の原因とされる製品の廃止について働きかけていくという。「私は"国家権力との対戦"に戻ってきたわ」と笑いながら話した。しかし、蜂は彼女に反対活動の動機を与えたのと同時に、平穏な心も与えた。

あの悲劇以降ジャージー・ガールズと呼ばれた彼女たちは先へと進むであろう。しかし彼女たちは"ファイティング・スピリット"は失っていない。

元記事：http://www.guardian.co.uk/world/2011/jul/10/11-september-widows-move-on-as-tenth-anniversary-nears

特集・同時多発テロから10年


・同時多発テロから10年、米国人イスラム教徒の変化
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・「ジハードはそんな意味じゃない」困惑するイスラム教徒の英国人
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