※この記事は2011年09月10日にBLOGOSで公開されたものです

サウジアラビア出身で幼少期からイスラム教徒であるハムード・アル・ジュダイミ氏に来る９月１１日について、そして９月１１日に起こったことを振り返って頂き、短いインタビューを行った。ハムード氏は現在、アメリカのインディアナ州にある大学でビジネスを専攻している。１０周年となる今年の９月１１日はアメリカで過ごすようだ。【取材・翻訳：清水泰輔（BLOGOS編集部）】

僕個人が差別されたことはない



Ｑ：９月１１日に起こった同時多発テロはあなたの人生にどのような影響を与えましたか？

Ａ：本音を言ってしまうと、僕には何も影響はなかったよ。あのテロの後に、イギリスにも留学したし、今はこうしてアメリカの大学に通っているけど、僕個人がいわゆる"差別"されたことはなかった。でも、僕のコミュニティーである"イスラム"っていう視点から見ると、確実に影響あったよ。今は下火にはなっていると思うけど、テロ事件以降はイスラムに関しては多くの人がネガティブなイメージを持っていたと思う。一部の原理主義者の行動がフォーカスされて、「あれが"イスラム"なんだ」っていうイメージが定着しちゃったんだろうね。でも、今は多くの人があの事件を冷静に見れるようになって、"イスラム"について正しい認識が広がっていると思う。

Ｑ：あれから１０年になる今、あの事件を振り返ってみるとどう思いますか？

Ａ：答えは簡単だよ。どんな理屈をつけたって、あれだけ多くの人を殺したテロ攻撃は本当に酷いことだよ。あんなこと二度とあっちゃいけない。

中東でも多くの人が殺された



Ｑ：テロ事件後のアメリカの中東に対する軍事活動についてはどう思いますか？

Ａ：僕は信じてはいないけど、政治運動家の人たちが９月１１日のテロ攻撃は中東を攻撃する為に行ったアメリカ政府が自作自演だって主張しているよね。真相は分からないけど。ただこれも現実を直視すれば、中東でもまた多くの人が殺されたっていうこと。これに尽きるんじゃないかな。

Ｑ：この先の未来にはテロや戦争が無くなると思いますか？

Ａ：そうなることを願っているけど、こんなに国と国とが対立しているような状況だと、もっと争いは増えるんじゃないかな。特に中東では絶対に増えると思う。でもそういう未来に向けて僕たち若い世代が努力しないといけないと思うよ。

特集・同時多発テロから10年


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