京阪電車では初となるホーム柵が、2022年1月30日から京橋駅上り1番ホームで運用開始となります。現地では9日までに1・2番線ホームの設置が完了。見慣れない光景となっていました。

まずは「一駅限定」で設置・運用

 京阪線で初となるホーム柵が、2022年1月30日から京橋駅上り1番ホームで運用開始となります。現地では昨年12月に開口したまま運用開始日を待つ状態となっており、加えて1月9日には、2番線にも機器が搬入されました。


京橋駅に設置されたホーム柵(乗りものニュース編集部撮影)。

 京阪電鉄では、京都市営地下鉄東西線と京津線の分岐駅である御陵(みささぎ)駅と男山ケーブルを除くと、電車とホーム柵が合わさる光景は初めてです。

 これまで京阪がホームドアやホーム柵の設置を行わなかったのは、5扉車の運用があったからです。5000系電車がラッシュ時は5扉、それ以外の時間帯は2扉を締め切って3扉にするという運用を行っていましたが、2021年1月にその5扉運用を終了。それと並行し、ホーム柵設置に向けて準備が進められていました。

 ホーム柵が据え付けられた京橋駅ホームを実際に見てみると、開口幅は3000〜4540mmと広く、扉が閉まっていない状態だと、ホーム端に柵というより柱が立ち並んでいるような状態。なお扉は2段式で、コンパクトな機器部に収納される形になっています。

 ホーム柵の機器部には、今自分が立っているドアの位置を示す案内図や、「優先座席」「ライナー」「ダブルデッカー」のステッカーがあり、各機器の裏側に非常解錠ボタンが取り付けられています。

 特に目新しいのが、京阪の目玉であるダブルデッカー車両と、ホーム柵との組み合わせです。なお、1階部分はホーム柵の機器と柵本体によってホーム側の視界が塞がれる形となります。

 また、ダブルデッカー車両のある8000系は2扉車であるほか、特急や快速急行に1両だけ連結される座席指定車両「プレミアムカー」は1扉車です。運用開始後は、これらに合わせる形で、ホーム柵の開閉がさまざまなパターンで見られるようになるかもしれません。

 さて、京阪ではホーム柵の設置は増えていくのでしょうか。京阪が公表している「今後の事業の方向性」の「安全安心」に位置づけられた施策では、「京橋駅上りホームの可動式ホーム柵設置」という限定的な形で進められています。下りホームや別の駅への整備については、この施策にはまだ盛り込まれてはいません。