鉄道のきっぷをうっかり紛失してしまった場合は、再度同じきっぷの購入が必要です。例え領収書を持っていたとしても、それは証明書代わりにはなりません。失くさず持っているに尽きますが、救済措置もあります。

領収書では何とでも言い訳ができてしまう

「新幹線に乗っていたがきっぷを失くしてしまい、下車駅で駅係員に申告したら、乗車した分の運賃と料金をもう一度払うように言われた。領収書は持っていたのに」

 年始、SNSにこのような旨の投稿がなされました。そして2022年1月3日には、JR東海のツイッターアカウントが以下のように投稿しました。

「きっぷをなくされた場合、同じきっぷ(同じ区間・列車・設備等)をもう一度お買い求めいただきます。1年以内に『なくされたきっぷ』が発見された場合、再購入されたきっぷについて、手数料を差し引いて払いもどしをいたします。きっぷは目的地まで大切にお持ちください」

 特に都市部では、ICカードでの鉄道利用が一般的であるため、久しぶりにきっぷを発券した際などには、うっかり紛失してしまうこともあるかもしれません。しかし、なぜ領収書があっても、同じきっぷの買い直しが求められるのでしょうか。


鉄道のきっぷ(乗りものニュース編集部撮影)。

 そもそも交通機関を利用する時、旅客はきっぷを購入することで、事業者と運送契約を結んだことになります。きっぷはそれを証明するものであり、旅客は輸送中、きっぷの携帯が義務付けられているのです。領収書はその代わりにはなりません。領収書は、利用する区間や、どのような種類の設備(特急列車や指定席など)を利用したかを証明するものではないからです。

 万が一きっぷを紛失した場合の取扱いについても、事業者が定める旅客営業規則などで規定されています。JRの規則の内容を要約すると、前出のJR東海の投稿というわけです。なお、紛失したきっぷを発見し払い戻しを受ける際は、再購入時に発行された再収受証明書の提示が必要です。