中国の自動車市場では日系車の販売が好調で、2020年の日系車の新車販売台数は市場全体の24%を超えたと報じられた。20年に中国で売れた新車の約4台に1台が日本メーカーの車だったということになるが、日本と中国では同じ車でも「きれいさ」が全然違うようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国の自動車市場では日系車の販売が好調で、2020年の日系車の新車販売台数は市場全体の24%を超えたと報じられた。20年に中国で売れた新車の約4台に1台が日本メーカーの車だったということになるが、日本と中国では同じ車でも「きれいさ」が全然違うようだ。中国の動画サイト・西瓜視頻は「日本を走る車はなぜ新車のように見えるのか」と問いかける動画を配信した。

 中国人も決して愛車をきれいにしていないわけではなく、あちこちに洗車サービスの店があり盛況ではあるが、中国では車体が汚れていたり、壊れていたりする車をよく見かけるのも事実だ。動画では、日本の車がいつもきれいな理由を3つ紹介している。まずは、頻繁で厳しい「車検制度」。日本では新車が3年、その後は2年毎に車検を受けなければならず、検査項目も非常に多いため、「いつも車が整備されている状態であり、ボディが壊れたまま走っている車は少ない」と伝えた。

 2つ目は「日本人があまり車に乗らないため」。公共交通機関が発達している日本では、電車などで通勤している人が多く、車に日常的に乗らなくても生活できるのでいつまでも新車のようにきれいだと推測している。3つ目は「日本の環境と気候」が関係していると分析。日本は道路も空気もきれいなので、車が汚れないとした。これは、日本に来ると服も靴も汚れない、と驚く中国人が多いのと同じ理屈なのだろう。

 コメント欄を見ると、「日本の車はきれいだ」という部分を否定する人はいないようだった。理由に関しても、ユーザーはおおむね動画の意見に賛同していた。特に「日本の道路がきれいなため」という意見に同意する人が多く、「日本の道路には水たまりもないしね」、「中国の道路は、見た目はきれいだがほこりや泥が多い」と多くの人が納得していた。中国では工事が多く、トラックが多く行き交うというのも大きいのかもしれない。「内陸は黄砂もあるし」という指摘もあった。

 また、「民度」と切り離せないという考え方の人も見受けられた。日本人のきれい好きは中国でもよく知られている。「日本の道路は清掃員がいないのにきれいだ」と感心している人もいたが、日本の工事現場では周辺を作業員が掃除したり、道路に汚れを落とさないようにトラックをきれいにしたりする姿が見られる。日本には道路専門の清掃員はいないが、一般住民がボランティアで掃除することもある。「日本の車が新車のように光っている」のは様々な理由があってこそと言えるようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)