千葉県民をあぶり出してどうするつもり...? 「落花生」を踏ませる駅の標示に地元民戦慄→デザインの理由をJRに聞いた
千葉県といえば、落花生。
国内一位の生産量を誇り、国内産の八割が千葉県産だ。
八街(やちまた)市や千葉市をはじめ、県内の多くの地域で栽培されており、まさに落花生王国と言えるだろう。
そんな落花生と縁ある千葉県民たちをあぶりだす(?)ための踏み絵が存在している、とツイッターで話題となっている。それがこちらだ。
足跡が落花生に(画像はうまいごす@umaigosさん提供)
「二列でお並びください」
駅のホームでよく見かける標示だ。しかし、よく見ていただきたい。
なんと本来なら足のイラストがあるべきところに、落花生が描かれているのだ。
これは2021年2月9日、ツイッターユーザーのうまいごす(@umaigos)さんが
「千葉駅のホームが千葉県民への踏み絵を導入しててちょっと踏めない」
とコメントを添えて投稿した画像だ。
JR千葉駅(千葉市)にあるというこの標示。確かに、落花生を愛する千葉県民に落花生を踏みつけさせるというのは、なかなか酷かもしれない......。
この投稿に、ツイッターでは
「なんて非道な...」
「隠れチバリアンを炙りだしたいのか...」
「千葉県出身なので踏めないです(笑)」
「踏めないから必然的に黄色い線の内側の内側へ... やるな千葉駅!」
「これ考えた人の地元愛を感じずにはいられない」
「埼●玉県人の陰謀か......?」
と早くも千葉県民と思われるユーザーたちが続々とあぶり出されていた。
「地元のアイデンティティを踏ませるなんて」
Jタウンネットは12日、投稿者のうまいごすさんを取材し、この標示について話を聞いた。
会社に行くときに千葉駅を毎日利用するといううまいごすさん。9日の朝も、通勤電車に乗ろうとしたところ、ホームでこの落花生に気がつき写真を撮影したという。
千葉駅のホームが千葉県民への踏み絵を導入しててちょっと踏めない pic.twitter.com/NpY0K99t0R
— うまいごす@タグ企画「再読カフェ」2/17まで (@umaigos) February 8, 2021
「何も考えず、ただ何となく指示に従って並ぼうかな...と思いつつ気がついて戦慄を覚えて後ずさりしました。
毎朝通勤時に地元のアイデンティティを踏ませて出発させようなんて、なかなかドS、いや千葉駅上層部はサイコパスか...と思いました」
千葉県民で、千葉のことが大好きだといううまいごすさんは、落花生を踏むという行為にはやはり大きな抵抗がある様子。発見時の衝撃は相当なものだったようだ。
また、今回この投稿が反響を集めたことに関しては
「地元愛メッセージを色々いただき同じ気持ちの人が多い事を知って、多少心強くなりました。にしても恐ろしいもんを導入しやがって...好きだけど」
とコメントしていた。
いったいなぜ、千葉駅は利用者に落花生を踏ませようとしているのか。
JタウンネットはJR東日本千葉支社の広報を通じ、千葉駅の担当者を取材した。
「愛される千葉駅を目指して」
担当者によれば、15日現在、乗車位置に落花生のイラストがあるのはJR千葉駅の3番線から10番線。20年10月下旬に3・4番線を、11月上旬に5・6番線を、そして21年2月上旬に7〜10番線を施工したという。結構出来立てホヤホヤだ。
何より気になるのが、この標示を作成した理由。まさか本当に千葉県民をあぶり出すため......ではないだろうが、どうして足元に落花生を描いたのだろうか。
担当者に尋ねると
「愛される千葉駅を目指し日々取り組んでいる中で、千葉県の名産である落花生をデザインすることで愛着を持っていただけることを期待しました。
また、インパクトのある標示で、本来の目的であるホーム上の安全確保の効果をできるだけ引き出すためです」
と、千葉県と利用者への愛にあふれた回答が返ってきた。
安全効果を高めるため(画像はうまいごす@umaigosさん提供、編集部で一部トリミング)
また、千葉駅ではこの乗車位置の他にも、7・8番線ホームのベンチに落花生デザインを施しているそう。落花生、そして地元への深い愛情を感じる......。
なお今回、この標示が話題となっていることの感想を聞くと、担当者は
「想像以上に反響があることに驚いています。
ご利用のお客さまに千葉駅を話題に取り上げていただいていることを嬉しく感じています」
とコメントしていた。