「Silent Hill(サイレントヒル)」というゲームは、アメリカの北東部にある架空の田舎町を舞台にした、とても怖いホラーアドベンチャーゲームだ。

1999年に日本のゲームメーカーのコナミが発売したヒット作だが、続々とシリーズ化され、映画化もされるなど、アメリカでは大変な人気だという。

ゾンビのような謎の生物が次々と現れ、拳銃やショットガンでガンガン撃ちまくって進んでいくシューティングゲームのようだが、そのおどろおどろしい怖さはなんとも独特だ。

このゲームに関して、2021年2月4日、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。

投稿主の山口慶明さん(@girlmeetsNG)はアメリカ在住のビジネスマンのようだが、「アメリカ人に『日本には本当にサイレントヒルという街がある(静岡)』と教えたら凄い食いついてきた」とコメントしている。このツイートには、6万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(2月16夕現在)。

この話題に、アメリカ人が食いついてきたのは、いったいなぜか?

Jタウンネット記者は投稿主・山口さんに詳しく聞いてみることにした。

アメリカでは大人気のゲームで、映画もヒットした!


富士山と山麓の富士宮市街地(Alpsdakeさん撮影、Wikimedia Commonsより)を基に、Jタウンネット編集部が加工した

冒頭ツイートの投稿主・山口さんはオハイオ州在住だという。

「アメリカでは『サイレントヒル』は大人気のゲームで、映画もヒットしたのでコンテンツとしてスゴく強いです。静岡県はもっとアピールしていくと、インバウンドも狙えるんじゃないかと思いました(笑)」

山口さんは苦笑交じりで答えてくれた。

投稿に対して、ツイッターでは「静岡=サイレントヒル 盲点でした」などの声もあがっている。

「サイレントヒル」=「静岡」を、新鮮に感じている若い日本人ユーザーが多かったようだが、これについて山口さんに感想を聞いてみた。

「『静岡県がエイプリルフールにサイレントヒル県に改名』みたいなニュースもあったくらいなので、有名な話だと思っていたので意外でした」

2013年4月1日、静岡県は、公式サイトを「サイレントヒル県公式ホームページ」と改称し、県の名称を「サイレントヒル県」に改めることが決まったと発表したのだ。 

もちろんこれは、エイプリルフールのネタ。「サイレントヒル」シリーズをモチーフにした劇場映画『サイレントヒル:リベレーション3D』が、同年7月12日に全国公開されることを記念してのジョークだった。

しかし8年前のエイプリルフールのことなど、覚えている人はもう少なかったと見える。

強烈なインパクトをアメリカ人にもたらした「サイレント・ヒル」の名称だが、ツイッターの日本人からはこんな声が寄せられ、ひたすら盛り上がっている。

「私の出身の香川県は、フレグランスリバーになるけど、これもネタにできそうw」
「Bear Base(熊本)、Fragrance River(香川)、Virtue Island(徳島)もインパクトありそうですね」
「青森県は、ブルーフォレストなんで名前の通りっぽい」
「ブルーフォレストのテリブルマウンテンとか?」(青森・恐山)
「Bird Catch 鳥取。なんか普通にゲームタイトルとして使えるな」
「ぼくはラックヒル出身でグレートスロープ在住です」(福岡・大阪)

この際、47都道府県を英語化してみると、新たなゲームのネタになりそうな気がしないでもない。

ところで「サイレントヒル」の由来について、Jタウンネット記者は開発会社にも聞いてみた。コナミデジタルエンタテインメントの広報担当者からの返答は、「コメントできない」というもの。

当然といえば、当然だ。「サイレントヒル」は「サイレントヒル」だ。

(2月17日9時45分追記)記事初出時、ゲームの発売日に誤りがありましたので修正しました。