[ちちんぷいぷい−毎日放送]2021年2月1日放送の「SDGsのススメ」のコーナーでは、大阪・西成区で生まれたクラフトビールを紹介していました。

大阪・西成区といえば昼間から居酒屋が開いているディープな街として知られ、お酒とゆで玉子がセットになった「モーニング」が有名です。

そんな西成で製造されている「クラフトビール」が人気とのことで番組が取材に訪れました。


Derailleur Brew WorksのFacebookページより

わしらは朝から酒を飲む「酒の専門家』」

「クラフトビール」とは「地ビール」が呼び名を変えたものだとか。このクラフトビールを製造しているのが「株式会社シクロ」。

スタイリッシュな工場で働く従業員はおよそ50人で、これまで50種類以上のビールを製造しています。

しかし、同社はビール造りが本業ではありません。実は、介護・医療サービスを行う会社なんだとか。

では、いったいなぜビールの製造を?代表の山崎昌宣さん(崎はたつざき)に聞きました。

「4年前に高齢の方や障がいのある方に働く場所をつくっていこうと就業支援事業を始めたのですが、紹介できるのは内職などの単純作業がほとんど。多くの人が長続きしませんでした」

と山崎さん。そんな時、支援する人に言われたのが「わしらは朝から酒を飲む『酒の専門家』。酒を用意してくれたらなんぼでも売って働いてやる」という言葉。

それで、「好きなものでないと仕事にできない」ということに気づいたそう。

こうして街の雇用のためにビール造りを開始。なかにはビール工場で働くようになって造る仕事の楽しさを知り、アルコール依存症を克服できたという従業員もいました。

「西成ライオットエール」1本330ミリリットル600円(税込み)をはじめ、コクのあるお味が口コミで広がり評判に。東京の百貨店で販売が予定されるほど大人気とか。

ラベルもおしゃれなデザインで、他にもミックスジュースをイメージしたビールや、コーヒーの焙煎した香りに包まれるビール、梅干を大量に投入した酸味のあるビールなども。

モーニングでお酒が出るのにはビックリでしたが、そんな街だからこそユニークなビールが生まれるのでしょうね。

(ライター:まみ)