2021年1月12日に投稿された、写真付きのツイートが話題となっている。

写真は、とある神社の夜景だ。周囲は水田のようだ。照明の中に浮かび上がって見える鳥居の前に、何かいるようだ。

犬だろうか。目を凝らして見ると、どうやら犬ではない。

なんと、「狐」だ。写真には「神社の鳥居の前に座る子狐」というコメントが添えられている。

京柱うさだだぬき(@usalica)さんが投稿したこのツイートには、9万7000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(1月14日夕現在)。

ツイッターには、こんな声が寄せられている。

「日本昔ばなしみたいな世界」
「可愛いけど神秘的な雰囲気ですね」
「神がかっていますね。シャッターチャンスも構図も」
「子狐についてったら別世界行けそう」

狐は神様の使い、と古来より伝えられているが......、本当だったのだろうか。半信半疑のJタウンネット記者は、投稿者の京柱うさだだぬきさんに、詳しい話を聞くことにした。

「超たまたまが重なりました」


京柱うさだだぬき(@usalica)さんのツイートより

投稿者の京柱うさだだぬきさんによると、撮影したのは2020年7月21日の午前2時半頃。場所は、三重県伊賀市の「依名古(えなこ)神社」だという。

「ここは以前からお気に入りの場所で、この日は友人が近くに宿泊していて翌朝迎えにいく予定だったのでついでにいってみようと思って行ったらたまたま狐がいてびっくりでした」
「超たまたまが重なりましたねーw......たまたま望遠で撮って、たまたま狐が逃げ出さずに停止しててっていうw......ほんと運で撮った写真です」

京柱うさだだぬきさんは謙遜しながら、こう語るが、運も実力のうちかもしれない。


京柱うさだだぬき(@usalica)さんのツイートより

鄙びた農村の古社。そこに現れた1匹の子狐。まるで神様のお使いのようにも思える瞬間だ。ツイッターには、「努力と運と腕があってこその神の写真だと思います」という感想も、ユーザーから寄せられている。


京柱うさだだぬき(@usalica)さんのツイートより

依名古神社は、三重県伊賀市依那具にある古社で、明治の合祀令により猪田神社(伊賀市)に合祀され、その旧社地として奉斎が続けられている。祭神は諸説あり、定まっていないという。近くの遺跡からは鉄滓や鋳型片などが出土しており、鍛冶製鉄と結び付きが強い、という説もある。

つまり依名古神社が稲荷神社ではないことだけは、確かなようだ。写真に撮られた子狐も神様のお使いなどではなく、まったくの偶然だった...ということだろう。

それにしても......、「神さまが撮らせてくださったんでしょうねぇ」という声には、うなずいてしまう。