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 お鍋が恋しい季節が近づいてきました。鍋のシメに麺類を好む人も多いと思いますが、ふと立ち寄ったカルディで、鍋にうってつけの商品を見つけました。

 価格は一食たったの60円! パッと見、よくある即席ラーメンに見えますが、こちらは麺のみでスープは付いておらず、好みの鍋料理に入れて楽しむ鍋用ラーメンとして韓国では定番商品なのだとか。乾麺なので日持ちがするし、鍋以外にもいろいろなアレンジ料理も作れるそう。面白そうなので早速購入し、色々と調理してみることにしました。

スープなし、麺のみだから何にでも合う!

一食110g入り

「サリ麺」は韓国の食品会社『オットギ』(韓国語で“だるま”)が販売する商品で、「サリ」とは鍋料理やスープにトッピングするラーメンのことを指すそうです。

 黄色が目立つパッケージには、「コシの強い太麺、もっちり、シコシコ、ツルツル、煮込んでものびにくく鍋に最適!」という特徴を表す言葉がおどります。一袋の内容量は110gで、日本の一般的な即席麺の麺量は約90g、おなじみの辛ラーメンでも107g、ぶっちぎりの麺量となっています。

パッケージ裏面には調理ヒントを記載

 裏面には「具によし、シメによし」の文字。キムチ鍋、もつ鍋、寄せ鍋、ちゃんこ鍋、水炊き、カレー鍋、すき焼き、しゃぶしゃぶ……日本人が日ごろ親しんでいる鍋料理の名前がずらり。要するに、なんにでも合う! ということですね。

 でもせっかくの韓国ラーメン。せめて胃袋でバーチャル旅気分を楽しもうと、まずは韓国で人気の屋台料理「ラッポッキ」から作ってみました。

サリ麺を使った簡単&絶品「ラッポッキ」の作り方

太くてもちもちの麺は食べごたえ抜群

「ラッポッキ」は、朝鮮半島の餅・トックを甘辛く煮込んだ「トッポッキ」にラーメンを加えたB級グルメの代表選手。かわいらしい名前に似合わない、ダブル炭水化物のジャンクな組み合わせではありますが、これが食べたらハマってしまう危険な一品です。

材料

・サリ麺……1袋
・トッポッキ……適量(水に通しておく)
・かたゆで卵……1個
・キャベツ……適量(1口大にカット)
・玉ねぎ……適量(薄切り)
・長ネギ……適量
・さつま揚げ……適量(一口大にカット)

タレ
・コチュジャン……大さじ2.5
・酒・ケチャップ……各大さじ1/2
・顆粒だし……小さじ2(牛肉or鶏がらベース)
・白いりごま……小さじ1

作り方

1.タレを混ぜておきます。

2.鍋に「サリ麺」以外の全材料とタレ、カップ3~4杯(濃さはお好みで)の水を入れて強火で煮立たたせます。

3.沸騰したら中火にして5分、最後に「サリ麺」を加え、お好みの固さになったら出来上がり!

 辛めのスープがもちもち太麺によく絡んで、くにゅくにゅしたトッポッキやさつま揚げや玉ねぎと一緒に食べると、甘辛で最高! 麺量もボリューミーなので、2人で食べるくらいがちょうどいいかもしれません。

溶けたチーズが絡んだ「サリ麺」は絶品!

 味変でピザ用チーズとバターをからめると、「なんじゃこりゃ! 美味しすぎるわ」と叫ばずにはいられない、さらにジャンクな一品に。暖かいコタツに入って、冷えたビールと一緒にハフハフと味わえば、それだけでもう至福です。

 お次は気軽なランチにもぴったりの「サリ麺」活用法をご紹介します。

茹で麺で作る簡単アレンジメニューに挑戦!

下準備は沸騰したお湯で3分程度茹でるだけ

 鍋料理で煮込めば、間違いなく美味しい「サリ麺」。その可能性を探るべく、煮込まない簡単アレンジメニュー2品にもチャレンジしてみました。どちらも3~4分茹でたサリ麺を使います。

「サリ麺焼きそば」

もちもち、ちゅるちゅる! 太麺焼きそばの感覚で楽しめる

 豚肉、モヤシやニンジンなどの野菜を炒め、そこに茹でた「サリ麺」を投入して味付けすれば、あっという間に「サリ麺焼きそば」が完成。中濃ソースやオイスターソースを使えばソース焼きそばに、鶏がらスープの素を使えば塩焼きそばに、具材も味もお好みで自在にアレンジできます。

 シャキシャキの野菜にもちもちの麺、異なる食感と味わいのハーモニーがたまりません。ちなみに筆者は、某社の万能調味料「うまソース」で味付けしたところ、意外とさっぱりした味わいに仕上がりました。パンチをきかせるなら、3食焼きそばなどに付いている粉末ソースなどを使ってみるのもいいかもしれませんね。

「サリ麺の塩辛クリームパスタ」

 こんなに簡単なのに、想像をはるかに超える美味しさ! だまされたと思ってぜひ試していただきたいのが、イカの塩辛のみで味付けする「サリ麺のクリームパスタ」です。

 フライパンに生クリーム100mlと塩辛50gを入れ、弱火で混ぜながら加熱し、小さな泡が立ってきたところに茹でた「サリ麺」を投入。素早くクリームソースを麺に絡ませたらできあがり。刻みのり、千切りにした大葉をトッピングすれば、彩りも香りもよく仕上がります。

波打つ「サリ麺」に塩辛クリームソースがよく絡む

 自分で作っておきながら「どんな味だろう…」と恐る恐る口に運びました。なにこれっ、美味しすぎる! 思いっきり和な塩辛が、生クリームと出合うことで思いっきりよそ行きのおしゃれな味わいに変身しました。

 太くうねりのある「サリ麺」に風味豊かなソースが実によく絡んで、フォークを持つ手が止まりません。パスタで作るより「サリ麺」の方が美味しいのではと思うほど。

 コスパ最強でボリューム満点、アレンジ自在の恐るべし韓国ラーメン素材「サリ麺」。ご紹介した食べ方以外にも、つけ麺や担々麺、冷麺、夏は冷やし中華などにも使えます。見つけたらぜひ、買って楽しんでみてください。

(撮影・文◎池田実香)