新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関して数々のデマが広がっており、死者がでるケースがあるほど、状況は深刻です。偽情報の拡散を防ぎ人々に正しい知識を提供することを目的に、世界保健機関(WHO)がWikipediaの運営元であるWikimedia財団と提携したことを発表しました。

The World Health Organization and Wikimedia Foundation expand access to trusted information about COVID-19 on Wikipedia

https://www.who.int/news/item/22-10-2020-the-world-health-organization-and-wikimedia-foundation-expand-access-to-trusted-information-about-covid-19-on-wikipedia

The World Health Organization and Wikimedia Foundation expand access to trusted information about COVID-19 on Wikipedia - Wikimedia Foundation

https://wikimediafoundation.org/news/2020/10/22/world-health-organization-and-wikimedia-foundation-expand-access/

Wikipedia and W.H.O. Join to Combat Covid Misinformation - The New York Times

https://www.nytimes.com/2020/10/22/health/wikipedia-who-coronavirus-health.html



COVID-19が流行するとともに、さまざまなデマが広がりました。この結果、イギリスでは「5GがCOVID-19を広めている」というウワサを信じた人々により5Gの電波塔が放火される事件が複数起こり、飲酒が法的に禁じられているイランで「飲酒が新型コロナウイルスに効く」と信じた27人が密造酒を飲みメタノール中毒で死亡しました。このようなデマが広がる裏側では、トランプ政権を礼賛する陰謀論者グループ「Qアノン」が暗躍しているとも報じられており、FacebookやTwitterはQアノン関連グループの削除に追われています。

デマにより実際に死者が出るほどの深刻な状況になっていることを受けて、WHOも対応に追われています。WHOのアンドリュー・パティソン氏は「なぜ5Gがコウモリのウイルスを拡散させないのかということを説明する記事を書いてくれ、と常に要求しているために、WHOの疫学者は私にうんざりしています」と語るほど。

新型コロナウイルスの正しい情報を広めていくことは、誤情報の影響を相殺するとして、新たにWHOはWikimedia財団とコラボレーションすることを発表しました。

この協定により、WHOの資料の多くが「ウィキメディア・コモンズ」として扱われ、WHOの資料であることを明示すれば誰でも許可を得る必要なく資料を再翻訳・再利用することが可能になります。

「信頼できる健康情報に公平にアクセスできることは人々に知識と安全を与えます」とWHOのテドロス・アダノム事務総長はコメントしました。

今回の協定によって、すでにウィキメディア・コモンズでは「COVID-19の偽情報に対する正しい知識を集めたインフォグラフィック」が公開されています。「スープにコショウを加えてもCOVID-19は防げない」「ハンドドライヤーでCOVID-19は殺せない」「靴によりCOVID-19は広まらない」など、記事作成時点で計30枚のインフォグラフィックがあり、誤情報のバリエーションの多さが実感できます。

Category:World Health Organization COVID-19 Disinformation Infographics - Wikimedia Commons

https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:World_Health_Organization_COVID-19_Disinformation_Infographics



なお、今後はCOVID-19以外に、エイズやエボラ、インフルエンザ、ポリオといった他の病気に関しても、同様にWHOからウィキメディア・コモンズへの資料提供することを視野に入れているそうです。