ミック・ジャガーとキース・リチャーズ、2019年夏に撮影(Photo by Taylor Hill/Getty Images)

写真拡大

8年ぶりの新曲「Living in a Ghost Town」をサプライズ発表したローリング・ストーンズ。この曲の背景とバンドの近況をミック・ジャガーとキース・リチャーズが語っている。

ザ・ローリング・ストーンズが最新曲「Living in a Ghost Town」をリリースした。キャンセルされた「ノー・フィルター」ツアーの再スケジュールが可能になるまでのファンへのエールのようだ。

●【動画を見る】ストーンズの最新曲「Living in a Ghost Town」

このリリースは、2012年にリリースされたコンピレーション・アルバム『GRRR!〜グレイテスト・ヒッツ1962-2012』に収録されていた新曲「ドゥーム・アンド・グルーム」「ワン・モア・ショット」以来の最新オリジナル曲だ。ちなみに、ストーンズは2016年にブルースカバーのコレクション・アルバム『ブルー&ロンサム』をリリースしている。

The Stones were in the studio recording new material before the lockdown & one song - Living In A Ghost Town - we thought would resonate through the times were living in. Its out at 5pm BST today and you can hear the track and interview on @Beats1 now! https://t.co/MkrRESZwY6 pic.twitter.com/4rHPctkwws
- Mick Jagger (@MickJagger) April 23, 2020

ミック・ジャガーのツイート訳:ストーンズは閉鎖の前にスタジオで新曲をレコーディングしていた。その1曲「Living In A Ghost Town」は、俺たちが生きている今の時期を反映していると思った。この曲は今日、英国夏時時間の午後5時にリリースされる。また、曲とインタビューの両方をBeats1で今すぐ聞くことができる。

Apple Musicのゼイン・ロウが行った最新インタビューで、キース・リチャーズと一緒に1年以上前にこの曲を作ったとジャガーは語っている。「全く違う状況下で書いたのに、奇妙な偶然が起きてしまったってことだね。この曲は、以前は生命に溢れていたのに今はすべて奪われてしまった場所について歌っていて、ギターでジャムっていたら10分くらいで出来上がったものだ」と。

リリースにあたって、時代を反映するために歌詞の一部を書き換えたと言う。「キース・リチャーズも俺もこの曲をリリースすべきだって思ったからね。でも俺は『それじゃあ、書き直さないと』ってなった。そのままだとダメな部分があったし、ちょっと奇妙な部分もあったし、ダーク過ぎる部分もあったから。そこで、少しだけで書き直したよ。それほど変える必要はなかったな、正直なところ。最初に作った形とかなり近いよ」と説明した。

ストーンズはここ数年間、新しいアルバムを作るようなことを小出しに匂わせてきた。リチャーズがロウに話したところによると、この曲は2019年初頭にロサンゼルスのスタジオでレコーディングされたということだ。リチャーズは「突然命が吹き込まれる感じというのは不気味だね。つまり、幽霊が本当に出現するっていうか……1カ月かそこら前にドン(・ウォズ)に言ったんだ。『なあ、あの幽霊トラックを出すなら今だぜ』って。そしたらミックから俺に電話が来て、同じことを言ったのさ。賢者は皆同じように考えるってことだな」とロウに話した。

ストーンズがオリジナル・アルバムをリリースしたのは2005年の『ア・ビガー・バン』が最後だ。「良いアルバムじゃなくて、最高のアルバムにしたいんだ」とジャガー。そして「俺は自分にかなり厳しいのさ。自分で作るにしても、キース・リチャーズと作るにしても、曲を作るとなると最高じゃなきゃいけない。良いじゃダメなんだ」と続けた。

ここ20年ほどのストーンズはツアーを最優先してきた。2019年のノー・フィルターの北米スタジアム・ツアーは驚異的な成功を収め、今年の夏に前年訪れることのできなかった場所で同じツアーを行なうことにしていた。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックのせいで、これが収束するまでこのツアーは延期となった。

「次の野外ツアーがいつになるのはわからない。野外でのライブの方が会場内でのそれよりも健康的だと考えるだろうが、それすら本当かわからないだろ。例えば『4万人収容のスタジアムでプレイするんだよな? じゃあ、2万人だけ入れればいいんじゃないか?』と言う人がいる。でも、これだって憶測の域を脱しないのさ」と、ジャガーはロウに述べた。

とは言え、こんな状況の最中で公表されたストーンズの良い知らせは、現在のジャガーとリチャーズには自由に使える時間が十分にあることだ。「すでに5〜6曲作っているし、どういうわけか誰もそんなことは意図していないのに、これらの曲にはソウルっぽいフィールがたくさん入っている。今の俺たちには曲作り以外することがないのは明らかさ、だろ?」とリチャーズ。