ドルトムントでのブンデスリーガ制覇に“熱血漢”のクロップは、はしゃぎすぎてしまったようだ。 (C) Getty Images

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 サッカー界屈指の熱血漢が、自ら犯した過去の“失態”を告白した。

 自らの過ちを明かしたのは、リバプールを率いるユルゲン・クロップ。言わずと知れた稀代のモチベーターである。

 英紙『Daily Mail』によれば、52歳のドイツ人監督指揮官がAmazonのドキュメンタリー内で明かしたのは、ドルトムントを率いてブンデスリーガ制覇を達成していた8年前のエピソードだ。

 当時のドルトムントは、欧州挑戦1年目を迎えていた日本代表MFの香川真司(現サラゴサ)やロベルト・レバンドフスキ(現バイエルン)、イルカイ・ギュンドアン(現マンチェスター・シティ)、マリオ・ゲッツェなどを擁し、怒涛の勢いで勝ち進み宿敵バイエルンを破って17年ぶりのブンデスリーガ制覇を成し遂げていた。

 自身にとっても初のマイスターシャーレ(ブンデスリーガの優勝トロフィー)の獲得は、クロップを狂わせてしまったようだ。当人は、「私は完全に酔っぱらっていた」と優勝決定直後の出来事を恥ずかし気に振り返った。

「その時のいくつかのインタビューを見ればそれが分かるかもしれないが、私は本当に“出来上がっていた”。前にも誰かに言ったかもしれないが、優勝を決めた後、私は目を覚ました時には知りもしないガレージにあるトラックの中で目が覚めたんだ。たったひとりでね(笑)」

 さらに「それまでの出来事は何も覚えていない」と続けるクロップは、ガレージで目を覚ました後の“笑撃”的なエピソードも口にした。

「目が覚め、トラックをよじ登ったら、自分が大きな工場のどこかにいることが分かり、それから私は中庭のような場所に出た。すると、そこで大きな男が横切ったのが見えた。私が指笛で呼び止めると、シルエットがどんどんと近づき、男がヴァツケ(CEO)だということが分かったんだよ。彼も私と同じように“迷子”になっていたんだ」

 その後、二日酔いもあって路頭に迷っていた二人は、街に戻ろうとヒッチハイクを決意。しかし、事は簡単には運ばなかったという。

「何台か止めたが、誰にも乗せてはもらえなかった。そこでヴァツケは、ある車を止めた時に、ポケットの中にあった200ユーロ(約2万5000円)をドライバーに出した。そうしたらあっさりと『OKだ』と言われたんだ。

 ヴァツケはその車の前に乗り、私は荷台に乗り込んだ。本当に疲れたよ。だって、荷台は鶏でいっぱいだったからね。私は永遠に彼らの鳴き声を聞き続けた。その時は『何が起きているんだろう? 夢か?』って思ったけど、鶏につつかれて夢じゃないことに気付いたのさ(笑)」

 それから8年が経ち、現在リバプールを率いているクロップ。もしも、今シーズンにレッズを30年ぶりのトップリーグ制覇に導いた時、彼は一体どうなってしまうのだろうか……。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部