ウッディ役の唐沢寿明

写真拡大

 映画『トイ・ストーリー』シリーズで第1作から23年以上にわたって、主人公ウッディの声を務めてきた俳優の唐沢寿明。バズ役の所ジョージとの名コンビで愛されてきた唐沢が、俳優として声優の難しさを語った。

 12日からは待望のシリーズ最新作『トイ・ストーリー4』が公開中。「最初はこんなに続くと思っていなかった」と話す唐沢も、初めはオーディションで選ばれたそうで、「(オリジナル版のウッディ役は)トム・ハンクスさんでしょ。声質が全く違うわけだから、全然声が違うけどいいのか?」と戸惑った上に「初めてやることだし、うまくいくかもわからなくてやっていた」と手探り状態だったという。

 他の作品で声優を務めることもあるが、そのときに「相手役の女の人がいて、その人が声優さんだったんだけど、声優さん独特の話し方をしていて。日常でそんな言い方はしないけど、画にははまってるんだよ」と驚いたそうで、「自分たちがそんなこと言ったら『くさいよ〜』って言われるけど、画にはすごくピッタリ合っているわけ。これは真似できないなと思って」と感心したことを明かす。

 「うまくはできない。声優の人と自分たちがやるっていうのは全く世界観が違っていて。今回も自分なりに頑張ってはいるけど、やっぱりすごく苦労したし。ただ、(オリジナル版も俳優の)トム・ハンクスさんがやっているから、俳優としての考え方でやっていいんだなって思ってやっているけど。ほんと声優の人ってすごいね。毎回思うんだよね」

 さらに、前作『トイ・ストーリー3』からは9年、久しぶりにウッディの声を演じたが、「(前回と)同じような気持ちでやったけど、『ちょっとテンションが低い』って言われて。同じようにやっているのに。聞かせてもらったら、確かにテンションが低くて。たぶん、知らないうちに大人になってたんだと思う。自分の方が成長しちゃってんだよね(笑)」と時の流れを実感したようだ。

 第1作の公開から23年以上がたってもなお、世界中で愛され続ける本シリーズ。唐沢は「それに出られたってのは良かったよね。なかなかこの作品を超えるものがないと思う」と喜びながらも、「自分はこれだけでいいかなって思う。他はなかなかできない、大変だから。声優を仕事にしている人は楽だよって言うかもしれないけど、自分たちからしたら本当に大変なんだよね。(映像に)合わせてしゃべるのは。自分がしゃべったことに動きを合わせてくれるんだったらいいけど」と声優業の苦労を明かしていた。(取材・文:編集部・中山雄一朗)

映画『トイ・ストーリー4』は公開中