バイエルン・ミュンヘンのウリ・ヘーネス会長は脱税の罪により逮捕される直前に開かれた総会にて、「私はまだ終わらない」と宣言したのは、今から4年半以上前のことだ。そしてその言葉通りに2018年11月から会長職へと復帰。67才となった現在の心境として「私が『これで終わりだ』と言える日はもうそれほど遠くない。その理由は a) 私が手を離せる状態になり、 b) 時期的にももうすぐだからだ」とクラブ公式日本語版にて語った。

 「私のライフワークのためだからではない。そのように考えたい人もいるだろうが、私は銅像には全く興味がない。もし私がFCバイエルンを見守るようになったら ― その時は下からでなく、空の上からであることを願うが ― 活気があり、人々と社会を楽しませるような価値のあるクラブが見られれば、それで私は満足だ。」

 そして今後の進退については「ハサン・サリハミジッチは2、3年後にこう言っているだろう、『ウリは素晴らしい調整を行った』とね」と述べ、世間はいつも、『ヘーネスは手を離さない』と言うが、私はどのように次の世代に引き継ぐかという典型的な例だ」とコメント。

 「私の息子にソーセージ工場を継がせた時、私たちは毎日20回電話でやり取りしていた。今では彼が1人で会社を切り盛りしている。」との例もあげ、「私が介入するのは何か上手く行っていないと気付いた時だけだ。だが上手く行っているなら簡単に手を離せるよ。」と言葉を続けている。

 また昨年末の年次会員総会での出来事にについては、「あの流れには大変困惑させられた。今もまだあの経験を消化している最中だ。頭を痛めているわけではないが、あのような批判には考えさせられる。」と明かし、『伝説の会見』と揶揄された昨年のプレスカンファレンスについては「私の人生に残る深い傷となった」とヘーネス会長。

 「全般的に人々が直接的な発言に対して敏感になりすぎている」ため、「今後は抑えるつもりだ」との考えを示しており、「最近のことで言えば、私がトーマス・ミュラー、マッツ・フンメルス、ジェローム・ボアテングを代表に招集しないというヨアヒム・レーヴの決断に対して何もコメントしていないのは偶然などではない。私の考えを口にしていたら、インターネットでは上を下への大騒ぎになっていただろう。それは必要ないと思ったのだ ― ヨギ・レーヴもそうだったのだろう」と説明した。

 
なお本日土曜日にはSCフライブルクとの一戦が控えているバイエルンだが、翌週に控えたドルトムントとの頂上決戦に「首位として臨みたい」(コヴァチ監督)ことからも、是が非でも勝利を収めたいところ。なおロベルト・レヴァンドフスキが、バイエルンの選手としては5人目となる、ブンデス通算200得点にあと2に迫っているところだ。