今回の地震で、スマホ画面に表示された警報

写真拡大

千葉県などで最大震度4の揺れがあった地震で、深夜に都内などで緊急地震速報の警報音がケータイから鳴り響いて困惑した、との声がネット上などで相次いでいる。

首都圏の多くの地域で震度1しか観測しなかったためだが、なぜ気象庁は大きな揺れを予測したのだろうか。

「迷惑だ」「どうにかならないのか」と怒る声も

ケータイが鳴り響いたのは、多くの人が寝入った2018年10月4日の午前0時15分ごろだ。

「千葉東方沖で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)」。画面には、こんな表示が出て、驚かされたり飛び起きたりした人は多かったようだ。

ツイッター上などでは直後に、「怖かった」「何回聞いても気味が悪い」といった声が上がった。「鳴らないよりはマシ」「逆に身が引き締まる」といった書き込みは多かったが、「マジで迷惑だったわ〜」「あの音どうにかならないのだろうか」と怒りを露わにする人もいた。

地震は、結果としてM4.6の規模で、揺れが大きかった地域でも茨城県神栖市、千葉県銚子市で震度4だった。都内などは震度1だった。

緊急地震速報では、地震観測点2つ以上で、最大震度が5弱以上と予測された場合に警報が流される。その範囲は、震度4以上の地域だ。

今回は、自動検知の第2報で、茨城県南部が震度5弱以上(規模はM6.7)と予測され、震度4以上に当たる東京都と千葉、神奈川、埼玉、茨城、栃木の5県(一部を含む)に速報が流された。

なぜ実際の震度と食い違う予測になってしまったのだろうか。

気象庁の地震津波防災対策室は4日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。

「海で観測点が少なく、震源地を遠くに設定してしまった」

「実際の震源よりも約50キロ沖合が震源とされたため、地震の規模を過大に推定してしまいました。震源を遠くに設定してしまうと、小さな地震波でもより大きな規模と検知するからです」

今回は、震源の深さは30キロだったが、第2報では10キロとしていた。より浅く設定していたが、遠さの方が数値は大きかったため、浅さはあまり予測に影響を与えなかったという。

なぜ震源を遠くに設定してしまったかについては、こう言う。

「銚子の付近が岬の形をしており、ほかの地震観測点がより内陸に位置しています。海には観測点はありませんので、どうしても誤差が大きくなるわけです。また、観測点が2つだけで予測されることもありますので、それも誤差を大きくしてしまうことになります」

緊急地震速報を流したことで、気象庁には、10月4日昼過ぎまでに、「どういうこと?」「基準は何か」といった電話が数十件もあったという。気象庁では、様々な改善をしているが、今後も技術的な観測精度の向上に努めるしかないとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)