ブロックチェーンをベースにした新興宗教が誕生
by geralt
仮想通貨に使われる技術「ブロックチェーン」をベースにした宗教「0xΩ」の存在が発表されました。0xΩは宗教活動をブロックチェーンを通じて行うというもので、創設者は「最高権威」という立ち位置になく、また信仰内容は信者が変更できるという、一般的な宗教とは異なる仕組みが取られています。
Blockchain Prophet Or Snake-Oil Salesman? Embattled Founder Launches First Ethereum Religion
There's Now A Religion Based On the Blockchain. Yes, Really.
https://futurism.com/blockchain-religion-matt-liston/
Crypto Cult? Augur Founder Creates Ethereum-based Religion Called 0xΩ
https://www.ccn.com/crypto-cult-augur-founder-creates-ethereum-based-religion-called-0x%CF%89/
仮想通貨「Ethereum(イーサリアム)」の予測市場プラットフォーム「Augur」を創業したMatt Liston氏は、2018年5月19日にニューヨークで行われたイベントで「0xΩ」という宗教の存在を発表し、0xΩがどのように機能するのかということを記した「flame paper」という資料を配付しました。この資料には0xΩの聖典としての役割もあり、聖なる言葉も記されていたそうです。
今日の宗教の多くでは、信条や決定がトップの人々によって行われ、信者はそれに従う形であり、平均的な信者は宗教の核である信仰には影響を与えません。しかし、0xΩの場合はブロックチェーンを通じて信者が信仰に関する文書を変更し、特定の慈善目的で寄付を募ることが可能になります。
Liston氏はイベント内て「宗教的なフレームワークがあれば、信仰が迅速にアップデートされ、また人々が宗教として信じることに対する合意形成と構成員との関係が民主化されるのです」という内容を語りました。テクノロジー系のニュースを扱うFuturismは、Liston氏の考えの根底にあるのが「ブロックチェーンは信仰において権威による統治を不要にする」という発想だと指摘しています。
なお、0xΩの意志を示すために、アーティストであり支持者のAvery Singer氏は「Dogewhal」と呼ばれる像を作成しました。
左側の女性がSinger氏で、右側の男性がListon氏。
The birth of a tokenized crypto-religion #0xΩ @0xOmega @malloc8 #NFTs #TCRs #hodl @rhizome pic.twitter.com/OK8ecxoESC— Ryan John King (@frothcity) 2018年5月19日
これがDogewhal。
ブロックチェーンは分散型でありハッキングが難しいため、信仰について議論を交し、投票を行うための優れたプラットフォームとして機能するとのこと。そして、1つのトピックにおいて合意が得られなかった時は、ハードフォーク(派生システム)によって1つの宗教を2つに分けることも考えられます。「この宗教において、参加している人々は必然的に投票を行い、絶えず0xΩの構造や性質を変化させていくことになります」とSinger氏は語りました。
Liston氏は宗教を立ち上げることで、信者を増やし、寄付金を集めやすくなると考えている模様。過去の研究から、人はお金が使われる用途がわかっていれば、寄付に対して寛大になる傾向があることがわかっているため、信者に信仰内容に関わる「力」を与えることによって寄付を増やそうという考えのようです。
「宗教は調整ツールだ」と語るListon氏。
"Religions are coordination tools." @malloc8 pic.twitter.com/b4Nywz21Mp— Sam Hart (@hxrts) 2018年5月19日
またListon氏は0xΩを立ち上げましたが、自分自身を「最高権威」にあるとは見なしていません。そして、0xΩから利益を得ようとも考えておらず、プロジェクトが始まればむしろ自分自身も寄付を行う予定であることを明かしています。