パリSGのアル・ケライフィ会長とネイマール。史上最高のビッグディールに対してUEFAが嫌疑をかけ、いまだ調査を進めている。(C)Getty Images

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 ボルシア・ドルトムントのCEOであるハンス=ヨアヒム・ヴァツケ氏が、UEFAの裁定に疑問を呈した。
 
 今夏にネイマールを史上最高額の移籍金、2億2200万ユーロ(約280億円)で獲得したパリ・サンジェルマン。そのビッグディールについて、UEFAがファイナンシャル・フェアプレー(FFP)抵触の可能性ありと判断し、目下調査を進めている。
 
 もし規約違反と断定されれば、最悪の場合、パリSGは来シーズン以降のチャンピオンズ・リーグをはじめとした欧州カップ戦から締め出される。ただ、大手メディアやUEFA関係者はさすがにそこまでの厳罰は与えないのではないか、罰金のペナルティーを課すのが妥当だと見ている。
 
 この風潮に対して、「甘すぎる!」と待ったをかけたのがヴァツケCEOだ。「もちろん最終的にはUEFAが決めることだが」と前置きしつつ、持論を展開した。
 
「彼らに罰金を払わせる? まったくのナンセンスだ。いまごろPSGの経営陣はカタールで高笑いしているよ。痛くも痒くもないだろうからね。もし違反が認められて再犯防止を考えるなら、(チャンピオンズ・リーグでの)ポイント剥奪が最良の選択じゃないのかね」
 
 さらにドイツ人CEOは、オーナーサイドの広告出稿費についても、確固たるルールがないと主張。明らかに過剰なスポンサーフィーが供与されているとクレームを付けた。
 
「相変わらず根深い問題だ。PSGはカタールから、1億ユーロ(約127億円)近くの広告収入を得ていると聞く。明らかにおかしな額だ。これについてはUEFAがしっかりとしたルールを作らなければいけない」
 
 2014年のパリSGに対するFFP調査で、UEFAは「カタール観光機構」の出稿費が実際の相当額の倍近くに設定されていると勧告した。スポンサーフィーが今回の調査対象となっているかどうかは判然としていない。
 
 なにもかもが高騰化している昨今の移籍マーケット。ヴァツケCEOは皮肉交じりにこう話して、警鐘を鳴らした。
 
「この夏、我々は(ウスマンヌ)デンベレをバルセロナに売却した。そこで得た収入を、なぜ惜しみなく代役の確保に回さないのかと、あれこれ言われたよ。1億ユーロを超えるカネを、ひとりの選手獲得に使うなんて……。普通じゃないだろ。馬鹿げた考えだ」