ケヴィン=プリンス・ボアテングがブンデスリーガへと戻ってきた。30歳の攻撃的MFは、今週初めにラス・パルマスとの契約を、「一身上の都合により」解消。そして今週金曜日にはフランクフルトにてメディカルチェックをすませ、2020年までの契約にサインしている。

クラブ側の発表によれば、ボアテングは「今後のキャリアを家族の近くで過ごしたいと希望していた」とのことで、ニコ・コヴァチ監督は「彼の加入によって、選手たちは多くのメリットを享受することになるだろう。プリンスはチームを引っ張っていってくれるはずだ。とても精力的に取り組んでいくれることだろう。素晴らしいクオリティをもった選手だよ」と大きな期待感を示した。

ブンデスリーガでのキャリアをヘルタ・ベルリンでスタートさせたボアテングは、そこで現在マネージャーを務めるフレディ・ボビッチ氏(2003〜2005年まで在籍)、そして監督を務めるニコ・コヴァチ氏(1991〜1996、2003〜2006まで在籍)とチームメイトであり、その後2007年にイングランド・プレミアリーグのトッテナムへと移籍。

2010年にはイタリア・セリエAのACミランへと渡り、2013年からシャルケにてドイツ・ブンデスリーガへと復帰している。そして2016年1月には古巣ACミランへと戻り、昨夏から今度はスペイン・リーガエスパニョーラのラス・パルマスへと加入し、リーグ戦28試合に出場して10得点をマークしている。

なおガーナ代表として15試合に出場している186cmのボアテングは、バイエルンに所属するジェローム・ボアテングと兄弟関係にあり、ブンデス通算では98試合に出場。10得点をマークした。


監督:ニコ・コヴァチ(フランクフルト)
ケヴィンはサッカーにおける全てのクオリティを兼ね備えた選手だ。昨季はラス・パルマスにて、4-3-3システムのCFとしてプレーしていたよ。そして10得点5アシストをマークしたんだ。非常にヴァリエーションが増えるし、メンタリティや経験といった部分もプラスとなる。彼がクラブに多くのものをもたしてくれると確信しているよ。彼は練習でも負けず嫌いで、とにかく全力をつくすんだ。うちの若い選手にとっては、人間性という部分でも多くの恩恵を受けることができるだろう。リーダーシップをとる選手の1人としても期待している。

MF:ケヴィン=プリンス・ボアテング(フランクフルト)
…ここ数日を振り返って:もちろん少し慌ただしい日々を過ごしたさ。飛行機できて、間も無くして採血とかおしっこしたりとか、自転車に乗ったりとかテストを受けなくちゃいけなかったんだから。でも滞りなくすんで嬉しく思っているよ。フランクフルトとのコンタクトはだいぶ前からあったんだ。

…フランクフルト入りを決断した理由について:たくさんある。まず伝統ある大きなクラブで、なおかつ興味深いクラブでもあった。もちろんフランクフルトという町から、自宅のあるミラノまで飛行機で50分の距離にあるということもある。それにボビッチ氏やコヴァチ両コーチのことをよく知っているというのも大きなプラスさ、僕のことをしっかりと評価してくれる人がいるということは。

…体調について:準備期間は全てこなしていたし、やる気まんまんという感じだよ。ただ新しいチームメイトのことを知らなくてはならないからね。ただベルリン生まれだし、それに僕はカメレオンのようにそこの色にすぐ染まることができるんだ。

…フランクフルトが興味深いと感じる理由について:昨年でもそれは見て取れるだろう。前半戦ではとても良い戦いを演じていたし、それにポカールでは決勝の舞台にまで駒をすすめたんだ。それだってポジティブなことだよ。今年の目標としては、力をコンスタントに発揮することにあると思う。もしもそれができたらどうなるのか、それは誰にもわからないことさ。欧州の舞台に出れるかもしれないし、ポカール決勝に戻れるかもしれない、もちろんどれもできないかもしれないが。

…ブンデスについて:とてもたくさんの思い出がある。いいことも悪いことも含めてね。ただ思い出は思い出だ。僕は常に前を向いているし、ここでのチャンスを楽しみにしている。ブンデスは世界最高のリーグの1つだし、ここでプレーできるチャンスがあるなら、もちろんノーとなんていえないものさ。

…得意のポジション:監督が起用するところでプレーする。もしも右サイドバックだったら?それもいいさ。監督は監督の考えがあるし、僕には僕なりの考えがある、どこがもっとも良い場所であるかね。監督は僕が複数でプレーできる選手だと評価しているし、最終的には彼がどこで起用したいと思っているのか、その判断に委ねることになるよ。

…フランクフルトとのコンタクトについて:今年の冬から話し合いをしていたんだ。ただそのときには成立までには至らなかったけどね。でもあのニコ・コヴァチが1年前の監督を務めたクラブから、僕に獲得の打診があるなんて、それは興味深いストーリーさ。僕はずっと、彼のことを素晴らしい監督になると思っていたし、今それが実際に起こっている。ベルリン時代から互いに知るなかで、そして僕はかれを模範としてきた。同じ地域の出身だしね。

…弟ジェロームの反応:もちろん喜んでくれたよ。また頻繁に再開できるようになるとね。でも彼はまだリハビリ中だし、まずは復調を目指さなくてはいけない。それに僕には僕のタスクがある。そして12月9日にピッチで再会するのを楽しみにしているよ。

…背番号について:お気に入りの17番がほしいと、ヤン・ツィマーマンにお願いして、彼はゆずってくれたんだ。これから彼を食事に誘うところだよ。

…フライブルク戦での出場の可能性について:もしプレーすることになれば、当然まだチームと練習していないのだから、存在感をそこで示すということになるよ。とても難しいものだろうからね。それ以上に期待すべきではないさ。来週チームと一緒に練習して、それからちょっとは別の姿をみせられればと思う。

…フラウブルク戦に向けて:難しい試合になるだろう。小さなスタジアムで、フライブルクはとても精力的に、とてもアグレッシブにプレーしてくる。あそこでの戦いは決して容易なものではないんだ。でもしっかりと準備をして臨むということ。僕たちはアイントラハト・フランクフルトだし、フライブルクで勝利を掴み取ってホームに戻ってきたいと思う。