中居「この先ずっといつまでもSMAPを愛してください」SMAPのDVD年末までに全部レビュー最終回

写真拡大

「一番人との触れ合いも多かったし、一番悩んだ時期でもあったし、一番刺激になった年…何でも一番がつく年だよね。あとファンの子と初めて握手会やって…俺は抱き合い会みたいなの(笑)やってみたいね」
1991年を振り返って、中居が語った。
(オリコンウィークリー/1992年1月13日号)

「多感な時にいろんなものに出会った時期」
SMAPがCDデビューした頃は、メンバー全員がまだ10代だった。


SMAPデビュー後初のコンサート


1992年1月1日、SMAPのファーストアルバム『SMAP 001』をリリース。発売になったばかりのアルバムをひっさげて元旦からコンサートが行われた。

『1992.1 SMAP 1st LIVE「やってきましたお正月!!」コンサート』は、1992年1月1日に日本武道館で行われたコンサートが収録されている。
CDデビュー後初となるコンサートで、武道館では1日5公演という前代未聞のハードスケジュールをやってのけた。続く1月4日からの大阪、名古屋と計5日間で7万人を動員した。

ライブDVDのスタートは、まずメンバー紹介から。生年月日と血液型まで掲載されていてデビューまもないグループらしいはじまり。

ステージの幕が下からあがると6人のバックダンサーが登場する。SMAPの登場を前にバク転、バク宙、拍手で会場を盛り上げる。
ステージ中央から白いマントを羽織りハットを手にしたSMAP6人が登場すると会場の歓声が一気に強くなる。

『RUN!RUN!RUN』を歌いながらマントをとって投げると黄色い衣装にチェンジ。襟元から胸元、裾までスパンコールをあしらったふんわりとした黄色のセットアップに赤い靴下。曲の中盤でスタンドカラーの赤いスーツと衣装がどんどん変わっていく。肩パットのあたりから白いスカーフが出る仕掛けがあってかなり凝った衣装。体の動きにあわせてゆらゆらと動いて華やか。

「ヘーイ!みんな元気?ノッてる?こっちも最高の気分です、よろしく!」
木村の挨拶に答えるファン。SMAPの文字が書かれた大きな4連ボードもあれば、「羅武」、「あなただけ且行」、「拓哉だけを見つめていたい」などなど、愛のこもったメッセージボードやうちわがたくさん。ファンの顔もたっぷりと映る1992年の映像。

SMAPメンバーのうちわに混じって「城」の文字。1stLiveにはTOKIOのメンバーがバックダンサー、バンドをつとめていた。まだ6人体制の時代で小島くんの姿がある。城島リーダーはギラギラしていて、ギターを激しくかき鳴らす姿が見られる。山口くんもスピード感あるバク転バク宙を披露、あどけない表情の長瀬くんもいる。とにかくみんな若い!

『SubwayKids』の歌いだしは木村。一人前へ出て歌う後ろで5人のメンバーが踊っている。中居が隣にいる香取を見て微笑む。楽しそうにアイコンタクトを交わす二人。
続いて森のソロ曲『Angelの秘密』。モデル体型を生かした色気たっぷりの衣装で、踊ると衣装が揺れてお腹がちらりと見える。一緒に踊る城島リーダーもジャケットがはだけてセクシー。

禁断の?「SMAP学園」開校


ステージ中盤でSMAPのコントコーナー。
木村が先生をつとめるSMAP学園に転校生の中居正子が転向してくるところから物語が展開していく。

白衣に黒ブチメガネをかけた木村先生(取手くん!)は保健体育の先生。生徒はSMAPとTOKIO、ジャニーズJr.が生徒役をつとめた。
みんなで新年の挨拶を終えると、ジャニーズの歴史を教えてくれる木村先生。
ジャニーズ、フォーリーブス、郷ひろみもジャニーズだったと歴代のグループ名を挙げて教えてくれる。男闘呼組や光GENJIの名前が挙がると会場から歓声があがる。
「中には目で殺すって人もいますからね気をつけてください」注意を促していると、ステージの下からセーラー服姿の中居正子ちゃんが乱入。ものすごい勢いで走ってきて木村先生に抱きつくと二人とも倒れてしまった。
(女装はこの頃からしていたのかと感心してしまう。幼い頃はスカートやビキニを着せられていたと「JUNON」/1994年10月号で語っていたので才能かも)

『パラダイス銀河』や『NINJIN娘』と先輩たちの楽曲を交えながら進んでいく。中居正子ちゃんに自己紹介をする流れになり、さりげなくメンバー紹介を兼ねているところが上手い。
「このクラスで一番渋い香取慎吾です」ついでに投げキス。
正子ちゃんに「香取くんいくつ?」と聞かれて「14歳って言ってるでしょ」。
一番最年少の香取が中居の肩を抱く。身長はすっかり中居を抜いている。

自己紹介が終わると正子ちゃんから衝撃の事実が明かされる。「そうよ、あたしは妊娠してるのよ」木村先生の子供を妊娠していると正子ちゃん。すごい設定(笑)
『抱きしめてTONIGHT』を歌う木村と中居。スカートをひらりとさせて舞うように踊る中居をしっかり抱きしめて、お姫様抱っこをする木村。最後は熱い抱擁……。いいぞもっとやれ。

ロックにミュージカル…濃いSMAPのライブ



後半は『Baby Baby Baby』から。さっきまでコントをしてた人たちとは思えないアイドルの顔に戻っている。
木村が白いジャケット、稲垣は紫色のジャケットでしっとりと歌う『天国のかけら』から、少年隊のミュージカル『Again』の名場面を再現したようなミュージカル風のステージへ。木村たちの衣装は実際に少年隊の東山から譲り受けたものだそう。(POTATO/1992年3月参照)

コンサートが行われた時点でのリリースは、シングル2枚、アルバム1枚と持ち歌が少ないためか、後半は『君の瞳に恋してる』、『DANCING QUEEN』など、ダンスナンバーをメインにしたメドレーを披露した。木村はソロで『STAND BY ME』を雰囲気たっぷりに歌い上げる。こんな風にSMAPを通して、自然と色んな音楽に触れていたことを改めて感じる。

男闘呼組の『CROSS TO YOU』、『Daybreak』をTOKIOバンドとセッション。スタンドマイクで歌うSMAPに会場のファンも大合唱している。
森がぐるぐるとスタンドをまわす。
「しげるー」中居の合図でギターソロ。城島リーダーの隣に木村がやってきてキスしそうなくらいに顔を近づける。マイクスタンドをしっかり握って歌う香取と草なぎ、マイクを外してクールな表情の稲垣。ロックを力強く歌うSMAPもいい。

デビュー前の91年年末、香取の家に押し掛けるSMAP


「今度、5人で押しかけっからな。快気祝いしてやるぜ!」
「すき焼きするから、牛肉、用意しとけよ」
木村が香取に電話をして、SMAP全員で香取の元を訪れて大忘年会が開催された。
「Myojo」1991年2月号では、骨折していた香取の快気祝いとして、なんと香取の自宅へ押し掛けて撮影をしていた。いまでは考えられないけれど、当時の「Myojo」ではSMAPに限らず、アイドルたちが兄弟や家族と一緒に登場したり、自分の部屋を公開したりすることも多かった。

キッチンで肉をトングでつまむ森、草なぎは菜箸で豆腐をほおばろうとしている。メインの写真はこたつですき焼きを囲む6人。
森:全員揃ってるからおいしーんだよね。
木村:いいこと言うじゃん。もしこれが5人だったら、卵なしですき焼き食うような、味気なさがあるんだろーな。
中居:そーだよ、シンゴは、すき焼きにたとえるなら卵だね。ひよっ子(笑)。
ここからメンバーをすき焼きの具材に例え始める。
稲垣は豆腐、森は長ネギ、中居はちゃっかり肉と一緒にすくいあげられるシラタキ。ヌボーっとしてるからという理由で草なぎはシイタケ。木村が肉に名乗りをあげて反感を買う。そんな会話をしている隙に香取は草なぎと木村のお皿にシイタケを入れる……。

稲垣:そう。シイタケも豆腐も大事。いろんな具があって、栄養のバランスがとれてるから、すき焼きはウマイんだよォ。
中居:ひとつの具も欠けちゃいけないって思ったよな、今度のシンゴの事故で。
木村:ん。結束が強まったと思う。
森:あとはコンサートで自信つけて、その勢いでいろんなとこにがんばれる91年にしたいね。
デビューから25年。ここまでの道のりには本当に色んなことがあったけれど、その都度こんな風に絆を確かめ合ってきたんじゃないかな。

それぞれ来年の目標を掲げていた。
「91年は、歌、ドラマ、踊り。欲張りにいきたい!でも、消化不良起こさないよーにね。」(木村)
「芝居に燃えるぞ!インパクトのある役やって“すごい!”って言われたいな。」(稲垣)
「早くビシバシ踊りたい。体がウズウズしてる。休んでた分をすぐに取り戻すぞ!」(香取)
「ボクも91年は高3。しっかりしなきゃ。球技大会のバスケットも、目標は、優勝だ!」(森)
「“漢字に弱いツヨシ”なんてもう言わせない!国語の成績アップを約束するよ。」(草なぎ)
「“司会といえば中居”91年のキーワードは、これだね。いろんな言葉、覚えるぞ!」(中居)
司会に役者と、それぞれ目標を達成していて、特につよぽんなんて漢字どころかのちに韓国語までマスターするんだからすごい。

嵐をよぶ雨のデビューイベント


1991年9月8日。台風の影響で朝から強い雨が降り続けた東京地方。埼玉県所沢市にある西武ゆうえんち。(現・西武園ゆうえんち)。

園内の波のプールに集まったファンは1万5千人。デビュー前日に行われたイベントでは、デビュー発表と握手会が行われた。
朝9時にスタートしたが、雨の影響で機材の漏電などで中断されるハプニングを経て、11時半からは握手会がスタート。一人一人にしっかりと両手で握手していたメンバー。終了したのは午後4時。1万5千枚のCDも即完売したそうだ。(週刊明星/1991年9月26日号)

SMAPのデビュー曲『Can’t Stop!!-LOVING-』から一貫して伝えてくれていること、〈君をしあわせにする僕はここにいるよ〉。
音楽から伝わるメッセージ、物語や番組、インタビューでの言葉、冠番組を20年続けてきたこと、番組の最後に復興支援の募金を欠かさず呼びかけていたこと――挙げたらきりがないけれど、SMAPから与えてもらったもの教えてもらったことがたくさんある。

ライブ本編の終盤、中居がソロで男闘呼組の『LOVE BLUE』を歌い終えると最後に言葉を残した。
「まもなくSMAPのコンサートが幕を閉じようとしています。これからのSMAP、まだまだ未熟ですが、この先ずっといつまでもSMAPを愛してください」

#We Love SMAP Forever。
(柚月裕実)

2016年9月9日からスタートした「SMAPのDVD年末までに全部レビュー」も最終回となりました。たくさんの方がシェアしてくださり、また温かい言葉をかけていただきとても励みになりました。最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。