近大泉州vs箕面自由学園
力投を続ける齋藤（近大泉州）
夏ベスト8の近大泉州が苦戦したように思えるスコアだったが、近大泉州にとっては予想通りのスコアだったようだ。
今年は夏の経験者が多く、何よりエースの西岡京哉、先発の齋藤生海、3番手の大型右腕・藪井雄太とタイプが異なった投手がいるのが強みだ。先発・齋藤は左サイドの癖球で勝負する好左腕。清水監督は「コントロールがそれほど良いわけではないのですが、キレがあり、秋の時点ではなかなかいないタイプの左サイドですので、苦しむと思って送り出しました」と起用法を明かしてくれた。その齋藤はキレのある速球を内外角に投げ分けが上手くがきでてきていて、しっかりと箕面自由学園打線を抑える。
まず2回裏、パスボールで1点を先制したが、箕面自由学園の先発・森武仁の投球に苦しめられる。森は上背があり、しっかりとした体重移動から投げられる好右腕。特にスライダーの切れ、コントロールが素晴らしく、見ていて長打にできるコースがなかった。
そして5回表、2番関の適時打で箕面自由学園に同点を許す。エースで3番の西岡が2安打を打つが、昨年から主力選手として出場している大木がなかなか安打を打てず、6回裏も一死二、三塁のチャンスを逃してしまった。
そして9回表、箕面自由学園は無死二、三塁のチャンス。ここで大型右腕・藪井雄太が登板。藪井は力のある速球で押していき、ピンチを切り抜ける。清水監督は勇気がいる場面だと振り返ったが、藪井が見事にピンチを断ち切ったのが非常に大きかった。藪井については、別の機会でしっかりとチェックしたいと思わせる投手であった。
そして9回裏、一死一、二塁から敵失でサヨナラ勝ちを決めた近大泉州。まさに粘り勝ちだが、自慢の打力が発揮できない中でもこのようにしぶとく勝ち上がるのはチーム力があることだろう。
今日登板した2投手もなかなか力があり、そして1番を打つ主将の吉田優兵は、軽やかなステップワークが光る好ショートストップで、捕球してから投げるまでの動作が素早い。守備力の安定性、スピード感は今年の大阪府の遊撃手の中では上位にランクインできるものがあるのではないか。打撃もミート力の高さが光る選手。これでもう少しパワーがついていくと楽しみだ。前チームから主力打者として活躍している大木 捺稀も、無安打に終わったが、鍛えられた肉体から振り抜かれる鋭いバットスイングは非凡で、二塁守備も、前に転がってきた打球を軽快に処理。身のこなしは軽快で、次の試合では打撃で存在感を見せることになるだろう。
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