週末の寝だめも…?「うつ病リスクが高くなる」NG習慣3つ
通勤途中に目に入る街の光景がすっかり秋めいてきました。そしてなぜかふともの悲しさを感じるのも秋。
普段、明るく元気にテキパキとしている人でもふと落ち込んでしまったり。それが一時的なものであれば問題はありません。しかし、何気ない日常の生活習慣がその落ち込んだ気持ちを継続させてしまう可能性も。
そこで今回は健康管理士である筆者が、日常生活の中で何気なくしているうつ病のリスクを高めてしまうNG習慣をご紹介します。
■睡眠不足と週末の寝だめ
フルタイムで仕事をしながら、家事や育児にも追われる毎日を送る女性はつい睡眠不足になりがち。それに加えてSNSなどで友達とコミュニケーションを取ろうと、夜遅くまでスマホやタブレットが手放せない。そんな日々の寝不足から週末の朝はゆっくりお寝坊。それくらいのことは許してほしいのが本音といったところでしょう。
しかし睡眠不足は“幸せホルモン”セロトニンの分泌が減少し、うつ病のリスクが高まってしまいます。それに週末2時間以上、いつもより起きるのが遅くなると、自ら時差ボケを作ってしまうようなもの。それは自律神経のバランスを崩し更なるうつ病のリスクを高めてしまいます。
日々の睡眠不足の解消をするなとはいいませんが、週末お寝坊は2時間以内にとどめ毎日の夜のスマホやタブレットも寝る1時間前にはやめることで、睡眠の質を高めるようにしましょう。
■炭水化物の摂り過ぎ
アメリカ・コロンビア大学メディカルセンターの研究チームの調査によると、精製された炭水化物やそれを原料にした加工食品を摂取する人ほど、うつ病を発症しやすいとのこと。精製された食品を多く摂ることで、体が血糖値を下げようとインスリンを多量に分泌し、それが急激な気分の変化や疲労感などうつ病の症状をもたらすと考えられるそうなのです。
精製された炭水化物とは白米や小麦粉、砂糖などで、それを原料にしたパンや菓子類を指します。パスタやパン、季節限定のスイーツが好きな女性にとっては耳の痛い話かもしれませんが、たまの自分へのご褒美だと位置づけて習慣化は避けた方がいいでしょう。
■野菜中心、お肉を少々がヘルシー!?
葉酸といえば妊婦さんが多く摂るべき栄養素という認識ではないでしょうか。しかしうつ病患者の食生活を調べてみると、葉酸をはじめとするビタミンB群とαリノレン酸やDHA、EPAといったオメガ3脂肪酸の摂取量が不足しているそうです。
葉酸やビタミンB6は脳の伝達物質を作る際にも使われるため、不足すると感情のコントローラも難しくなると考えることができます。
「ビタミンを摂るために野菜はたくさん食べています!」という女性は多いかと思いますが、ビタミンは野菜で摂るもの!という思い込みがこのビタミンB群の不足を招いているかもしれません。実はビタミンB群は野菜よりも納豆やレバー、豚ヒレ肉などに多く含まれています。
またうつ病は脳の炎症との関係も示唆されているため、炎症を抑える働きがあるオメガ3脂肪酸の摂取も意識して、今が旬のサンマや鯵やイワシ、まぐろのトロ、鮭なとを意識して摂るといいでしょう。
ダイエットのためにとカロリーを気にしている人の方が、炭水化物(糖質)を多く摂る傾向にあるともいわれます。スイーツが美味しい季節ではありますが、炭水化物の代謝でビタミンB群を使ってしまいその結果、不足してしまう!なんてことにならないように、バランスの良い食生活と質の良い睡眠を心掛けたいものですね。
【参考】
※ うつ病患者の食生活と症状との関連 - 女子栄養大学
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
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