CBS MarketWatchによると、3日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月物は、暖房油の第4四半期(10−12月)の冬季需要期に対する供給懸念から、暖房油の先物が上昇したのに連れ、前日比1.40ドル(2.6%)高の55.03ドルに大幅反発して引けた。WTI原油は今週6.1%上昇した。暖房油7月限は今週10.6%上昇し、前日比5.73セント(3.7%)高の1ガロン=1.5995ドルで引けた。

  「ガソリン供給に対する"恐怖"は消えかけているなか、今度は暖房油が懸念材料になっている」と、シティグループのエネルギーアナリストのカイル・クーパー氏は顧客に語っている。

  ファイマットのエネルギーアナリスト、マイク・フィッツパトリック氏は、米週間石油在庫統計を発表する米エネルギー省のEIA(エネルギー情報局)が、暖房油の需要が増える冬までに、在庫を積み増す時間は十分あると指摘したが、同氏は、「石油精製所の運営率は96%だが、(暖房油などの)溜出油在庫が積み増される兆候を見せていない」と述べた。EIAは2日、先月の410万バレル近い溜出油需要は、1年前に比べて5.2%高い水準にあると発表している。フィッツパトリック氏は、さらに、「EIAは特に、溜出油の需要がガソリン需要の約3倍の早さで成長していると報告している」とし、溜出油が焦点になっていると述べた。

  ガソリン7月限は、前日比4.17(2.8%)セント高の1ガロン=1.5571ドルで引けた。【了】